<グッドゴルファーでは勝てない>
過去に何度も決勝を戦いながら、シルバーコレクターに甘んじていたNさん(57)は、53歳でようやくクラチャンに輝いた。
「かつて野村克也さんが『負けに不思議な負けなし、勝ちに不思議な勝ちあり』と言ったけど、自分には負けた理由がよく分からなかった。過去に負けた決勝では、相手よりも自分のほうがショットは好調だったし、いいプレーをしていた。シーソーゲームの展開で、最後に相手が長いパットを入れたり、チップインしたり。こういう負け方ばかりだったので、どうしようもなかった」。

マッチプレーには駆け引きが必要。グッドゴルファーでは勝てない
現在のオフィシャルハンデが2.4のNさんはショットメーカー。ドライバーは安定して240~250ヤードを飛ばし、ユーティリティー全盛の中、いまだに3番アイアンをバッグに入れています。ラウンドよりも練習が好きなタイプで、スコアへの拘りよりも“納得のいくショット”への満足感を求める。過去にスクラッチ選手権では何度も優勝してきたが、マッチプレーが苦手でした。
「決勝で負けた相手は、研修会で競い合ってきた仲間たちばかり。是が非でも相手に勝とうという気持ちになれず、相手がナイスショットすると心から『ナイスショット』と声をかけ、“いい人”になりすぎていました」とNさん。
「マッチで負けたクラブの先輩から、『敵のナイスショットを称賛する必要はない。もっと自分のプレーに集中すべき』と何度も指摘されました。何も会話がなく黙々とプレーする緊張感が嫌い。勝負に対する強いこだわりも薄く、相手がOBを打つと、自分もお付き合いのOB。相手が3パットすると、自分もせっかく寄せた70㌢を外して必要以上に落胆する。これではダメだと思いました」。
そこでNさん、大学で心理学を教える友人に相談しました。「クラブライフを楽しむならNさんは理想のグッドゴルファー。でも、それではマッチには勝てない。プライベートラウンドで、仮想マッチをして試してみれば」とアドバイスされたのが以下の7箇条。
① 相手のボールの行き先は確認しても、相手のスイングを見ない。パターも同じ。
② アマチュアの3アップはリードにならない。逆に3ダウンしても焦らない。
③ 特に格下が相手の場合、大きなリードをつけても決して緩めない。
④ ショットの成否に一喜一憂しない。泥臭くパーを拾うのみ。
⑤ 絶対に相手のパッティングを褒めない。
⑥ 相手のミスを期待しない。自分のミスに落胆しない。内に溜めず、笑い飛ばせ。
⑦ これを入れれば勝ちというパットを前に、イメージするのは勝利の美酒。
とことん自分の世界に入り、マイペースでプレーを進めなさい、ということでしょうか。勝負に徹してマイペースで決勝に臨んだNさんは、4年前にようやくクラチャンの栄誉に浴しました。
競技アマチュアの夢であるクラチャンにも、レベルの差はあります。さすがにスクラッチレベルのクラチャンになると、人生をゴルフに捧げるぐらいの熱意とセンスがないと不可能ですが、ハンデ5前後でも、しっかりしたコース戦術と熱意があればチャンスはあります。次回は競技を続ける上で重要なメンタルについて、プロの例を交えながら紹介します。
前回までのコラム
競技ゴルフは上達への近道 ~ 競技ゴルフへの誘い①
アマチュアゴルファーズ選手権に出てみよう ~ 競技ゴルフへの誘い②
メンバーになって競技を始めよう! ~ 競技ゴルフへの誘い③
90を切るマネージメントとは? ~ 競技ゴルフへの誘い④
80を切るマネージメント力 ~ 競技ゴルフへの誘い⑤
競技ゴルフの虎の穴、研修会とは? ~ 競技ゴルフへの誘い⑥
関東倶楽部対抗への道 ~ 競技ゴルフへの誘い⑦
クラチャンを目指そう(上)~ 競技ゴルフへの誘い⑧










