競技ゴルフの虎の穴、研修会とは? ~ 競技ゴルフへの誘い⑥

競技ゴルフを極めるうえで、一つの選択肢が「研修会」です。まるでシングルプレーヤー限定の“虎の穴”とも呼べるこの集団に、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか?

「一年中、真っ黒に日焼けして仕事もせずにゴルフばかりしている集団」「ゴルフの上手い下手で人を見る偉そうな人たち」―など、ネガティブなイメージを抱く方々も少なくないと思いますが、正確には「さらなる高みを目指す中上級者たちが切磋琢磨する組織」と言えるでしょう。

「研修会」は各都道府県のアマチュアゴルフ協会や会員制のゴルフ倶楽部に存在し、そのメンバーたちは、各自治体のアマチュア選手権での活躍や、倶楽部対抗(関東)やインタークラブ(関西)でクラブ代表として戦うことを目標に、マナーの向上や技術の研鑽に努力しています。

それでは、この研修会組織には、どのようなゴルファーが所属し、何をしているのか紹介していきましょう。

競技ゴルファーとして一人前になるなら、まずは研修会に入ろう

<「研修会に入るのは上手くなってから」は間違い!>

各都道府県のアマチュアゴルフ協会には研修会を設置しています。ちなみに千葉県アマチュアゴルフ協会では、参加資格は「研修会に登録した協会員に限り、ハンデは男子24、女子18以内」との規定があります。

必ずしもシングル限定ではありません。「研修会に入っても迷惑かけるだけ」などと考えているあなた!「ハンデ24以内」ということは、これから90切りを目指す競技志向のゴルファーに広く門戸を開いているのです。

都道府県アマ協会の研修会は、普段はプレーできない名門コースなどで一年を通じて開催することが多く、プレーフィーも良心的なため、人気があります。さらにプライベートではご一緒できないトップアマともラウンドできるメリットも。上達したいと考える競技志向の方々は、尻込みすることなく、研修会の門を叩いてみましょう。

それでは会員制ゴルフ倶楽部での「研修会」はどうでしょうか?

<プロが指導する研修会も>

強豪クラブや歴史ある名門の場合、「ハンデキャップ9以内」と、シングル限定の研修会がほとんどです。しかし、ゴルフ最盛期を支えてきた団塊の世代が徐々にゴルフから離れ、経済状況などからゴルフをしない若者が増えたため、どこの研修会も人が集まらず、入会資格を14程度(月例競技のAクラス)にまで緩めているクラブが増えています。

「研修会は敷居が高い。もう少し上手くなってから…」と尻込みしているあなた!「もう少し上手くなってから」ではなく、上手くなるために入会するのです。

それでは研修会に入るメリットは何でしょうか?千葉県の2コースで研修会を掛け持ちしているという競技ゴルファーのAさん(53歳)に聞いてみました。

「メリットは競技志向の上級者だけの緊張感あるラウンドができること。倶楽部にはいろいろなゴルファーがいて、ほとんどがストレス解消や楽しむために来ている方々。月例競技もクラス分けがありますが、なかなかローハンデ同士では組み合わせてくれないので、2つのコースで研修会に入り、1打にこだわるプレーを楽しんでいます」という。

研修会では競技志向の上級者のプレーを学ぶことができる

「多くの研修会では、持ちハンデよりも叩いてしまうと、ネットオーバー分を罰金として徴収します。罰金の上限を設けている倶楽部がほとんどですが、やはり競技ゴルファーとしてのプライドがあります。自分のハンデ以内でプレーしようと必死になる。1打1打を真剣にプレーするようになります」。

Aさんがメインに参加する研修会では、元ツアープロが研修会の運営に携わり、スタート前の練習場でスイングをチェックし、一緒にラウンドした後、アプローチ練習場で研修会員の悩みを聞いてくれるという。

「プロへの謝礼は研修会費の中から支出しています。1人1人のスイングタイプにあった指導をしてくれるコミュケーション能力の高い方です。研修会外でもプライベートのレッスンラウンドや練習場での指導もしてくれます。定期的に第三者に見てもらうことで、それまで考えもしなかったスイングについて、突き詰めるようになりました。おかげでスランプになってもプロに相談することで調子の波がフラットになりました」とAさん。

<研修会員は、礼節を学び、コース保護に努める>

それでは研修会とは、競技を極めるだけでいいかというとそうではありません。多くの研修会の会則(規約)の第一条に、「マナーとルールを厳守し、コースを愛し、〇〇倶楽部を代表するゴルファーとして恥ずかしくない行動を心がける」ことを明記しています。

ゴルフが上手いだけではダメ。当然、マナーとルールをよく理解し、研修会員としてふさわしい行動が求められます。

ここで歴史ある大衆コースの元研修会長のSさん(75歳)に語ってもらいましょう。

「研修会という名の通り、何かを研修して帰ってもらう。上手い競技ゴルファーが集まってお金を賭けて帰っていくガラの悪いコンペではまずい。昔はプレー後のロッカールームで札束が飛び交っていた時代もありました。しかし、そういう時代はもう終わった。ニギリは言語道断。いまだにそんなことをやっている倶楽部もあるそうですが、そんなことを続けていたら、競技を純粋に極めたい若いゴルファーが入ってこない」。

マナーの向上、目土などのコース保護も研修会員の務め

「研修会員は、まず礼節を学ぶ。クラブハウスに入る時には夏季を除いて、必ずブレザー着用。コーススタッフの皆さんには、プレーをさせてもらっているという感謝の気持ちを持って一礼。プレー中は各自、目土袋を持って、コース保護に努める。そしてプレー後のミーティングでは、プレー中に起きた紛議やルールに関する疑問などを話し合う。技術面に関しては、ラウンド中に上級者がアドバイスを送る。良き時代の部活のような雰囲気がある研修会は充実しているはず」。

Sさんの話は前時代的に聞こえるかもしれませんが、多くの研修会が関東倶楽部対抗やインタークラブに出場する際、クラブ側にエントリーフィーを負担してもらい、大会当日にクラブのスタッフ(支配人やキャディーさんら)も応援に駆けつけてもらいます。コース側への感謝は欠かせないのです。

<クラブ代表になり、クラチャンを目指す>

何より研修会員の最大の関心事は、クラブ代表として関東倶楽部対抗やインタークラブ(関西)のメンバーに選出されること。

Sさんの話をもう少し。「関東倶楽部対抗の予選は5月中旬から下旬にかけて開催される。研修会員の選手選考は前年の1月~12月(クラブによっては4月~翌年3月)の平均スコアやポイントで選抜。研修会のほかに月例や外部の公式競技(KGAの公式戦や都道府県アマなど)の結果を反映する倶楽部もあり、まさに一年中、競技では気が抜けない」。

「クラブ代表として戦うチケットを手にするために、クラブの月例から倶楽部外の競技まですべてが真剣勝負になる。そして研修会のライバルたちと日頃の練習場でも『ああでもない、こうでもない』とスイング理論を戦わせながら、ゴルフライフを充実させていく。研修会はそういう競技ライフの基盤になる。ゴルフの技術や勝負強さをつけるには、研修会に入ることが一番の近道」。

レベルの差こそあれ、アマチュア競技ゴルファーの身近な夢は、①所属クラブの代表として『倶楽部対抗』に出場する②所属クラブのクラチャンになる―ことではないでしょうか?

その第一歩、所属クラブの研修会への門を叩いてみましょう。次回は、競技アマチュアの目標の一つである関東倶楽部対抗への道のりについてお話します。

前回までのコラム)
競技ゴルフは上達への近道 ~ 競技ゴルフへの誘い①
アマチュアゴルファーズ選手権に出てみよう ~ 競技ゴルフへの誘い②
メンバーになって競技を始めよう! ~ 競技ゴルフへの誘い③
90を切るマネージメントとは? ~ 競技ゴルフへの誘い④
80を切るマネージメント力 ~ 競技ゴルフへの誘い⑤