【閑話休題】接待ゴルフ④~心から楽しむ接待ラウンド

<『また一緒にゴルフしよう』と言われるために>

ゴルフが紳士のスポーツと言われるのは、審判はプレーヤー自身であり、ルールを自ら厳格に適用することが義務付けられているから。しかしコンプライアンスが叫ばれる中、厚生労働省の不適切統計による給付金未払い問題が発覚するなど、残念ながら不正が横行する社会になっています。

「接待ゴルフは、これから一緒にビジネスをするパートナーの誠実さを見極める意味で、貴重なツールと言えます。接待する側もされる側も、ルールを熟知し、同伴者の気分を害すことなくマナーを守れば、楽しい一日を過ごすことができます。お互いが思いやりの心を持ち、『この人とは安心してプレーできる』という気持ちになれば、心から楽しむゴルフができるはずです」。

またプライベートで一緒に回ろうと言われることは接待冥利に尽きる

Tさんが仕事はもちろん、接待ラウンドで心掛けるのが、礼節といいます。

接待を受ける場合、自分が初めてお邪魔するコースのロッカールームで、知らない方とすれ違う時も、必ず『おはようございます』と挨拶します。まずはそのコースのメンバーの方々に敬意を表し、コースのスタッフに挨拶をし、プレー前にコースに一礼します。プレーさせていただくという感謝の気持ちを込めることで、今日という一日が素晴らしいものになるような気になるのです」。

「先日、こんなことがありました。大手クライアントの会長とのゴルフで、何度かお邪魔している湘南の名門コースでの出来事。いつものようにロッカールームで出会ったどこかで見かけたような白髪の紳士に『おはようございます』と満面の笑みで挨拶しました。プレー後のレストランでその方にお会いし、『きょうのプレーはいかがでしたか?』などと会話を交わしました。すると、大手クライアントの会長から、『きみは経団連の〇〇〇さんと知り合いなのか?どこに行ってもホームコースのようで羨ましいな』とお褒めの言葉をいただきました。そんな大物とはつゆ知らず。さりげない会話も、ロッカールームでの挨拶がなければあり得ないことでした」。

そしてコースへの礼節として、Tさんが心掛けるのが、「来た時よりもコースを良い状態にして帰る」こと。自分が作ったディボット跡の修復はもちろん、グリーン上のピッチマークも、気付いた範囲でできるだけ直して帰る。同伴者のお客さまの評価は別に、ゴルファーとしての義務を果たすことが大事です。

片手ハンデの競技ゴルファーであるTさんにすれば、白ティーからの接待ゴルフでは、アンダーで回ることもあります。それだけの技術的、精神的な余裕があれば、同伴者のボールの行方は完璧に把握し、ラウンド時の気遣い、会話の内容まで、理想的な接待ラウンドができるはずです。

それでもTさんは謙遜するように言います。

「接待ゴルフはゴルフの技術でもスコアでもありません。いかに同伴者が気持ちよくプレーできるかを考え、自分も楽しいと思える雰囲気を作ることです。そしてラウンドした後、『きょうは楽しかった。またプライベートで一緒に回ろう』と言われたら、それこそ接待冥利に尽きます」。

いかがでしょうか。4回の連載で接待の達人と名人に接待術とその考え方を聞きました。基本は、同伴者への気配り、そしてメンタルでは自分勝手な気持ちを抑制し、ゴルフを心から楽しむことです。そのレベルに到達するためにも、最低限の技術の研さんを続けましょう。

前回までのコラム
【閑話休題】接待ゴルフ①達人のタクティクス
【閑話休題】接待ゴルフ②~達人が教える3つのルール
【閑話休題】接待ゴルフ③~名人が教えるゴルフ場での所作

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