前回に引き続き、元生命保険会社のトップセールスマンで接待ゴルフの達人であるファイナンシャルプランナー氏に、接待ラウンドの戦術を聞きます。
「皆さんは、接待に限らずプライベートでも一緒にプレーしたくないと思うゴルファーはどんな人でしょうか。一番、嫌われるのはスロープレーヤー。次が自分の立ち位置を理解していない人。そして、これは論外ですが、インチキをする人です」。
接待ゴルフハンデは日本アマ級のFP氏に聞くまでもありません。①プレーファースト、②立ち位置=同伴者の視界に入らない、③公明正大にプレーする―この3原則を守ることが、必要最低限の接待マナーというわけです。
<アドレスしたら素振りをするな>
「スロープレーが習慣となっている方は、自分が遅いことに気付いていない。ルール改正でも1ショット40秒という明確な基準ができました。仮にアドレスしてから40秒以内にショットしたとしても、自分のボールまでゆっくり歩いて行って、『ピンまでどれくらい』と同伴者やキャディーさんに聞き、セルフプレーならカートにクラブを取に戻り、散々素振りをした後に、『いやこのクラブじゃ大きいかな』と、クラブを替えてようやくアドレス…」
さすがにこれでは同伴者は固唾を飲んで見守るしかありません。

スロープレーは厳禁。悠々と急ぐのが接待ゴルフの要諦
「ワンショットを大事なプレゼンと考えるべきです。大きなビジネスとなるプレゼンを行き当たりばったりで行う人はいません。ティーショットなら、打つべき場所のみを考え、歩きながらハーフ素振りをしながらティーイングエリアに向かい、アドレスしたら、大きく深呼吸をして、堂々と振りぬくのみ」。
「日本アマ6勝の中部銀次郎氏が『悠々と急げ』という名言を残しています。せかせかするのではなく、スムーズなルーティーンでボールに向かい、アドレスしたら素振りをせずに一呼吸置いて、流れるようなリズムでボールを打ち抜く。結果はともかく、いつも同じリズムでスムーズにスイングすることで、『この営業マンはなかなかやるな』と一目置かれること間違いありません」とFP氏。
筆者も接待からゴルフを始めたので、アドレスしたら素振りしないで一気に振り抜きます。実はこのルーティーンは競技ゴルフでも有効です。つまりアドレスして時間をかけると、余計なことを考えてしまう。雑念が浮かばないうちに打てば、ショットは安定するものです。
ところで、スローな同伴者が接待する側の同僚や後輩なら、「おい、もっと進行を考えて、プレーをしろ」と教育的指導もできますが、接待対象の大事なビジネスパートナーとなると、「早く打ってください」とはなかなか言えません。
「プレーファーストは大事です。しかし接待ゴルフの大原則にお客様目線があります。決して、スローなお客様に対し『前が空きましたから、急ぎましょう』と言うべきではありません。新ルールを逆手に取りましょう。新ルールでは、お客様のボールがピンより遠くても、準備ができた方から先にボールを打てるのです。お客さまが、ボールに近づく前なら、『すみません、先に打ちます』と宣言して、スパッと打ちましょう」。
スロープレーのお客様にプレーファーストを強要するのではなく、接待する側が“悠々と急げ”ばいいのです。そうするうちに、お客様のペースも自然に上がってくるものです。それでも改善しない場合は、キャディーさんにそれとなく「後ろの方が待っていますので」などと声をかけてもらうのも良いでしょう。
プレーファーストがなぜ大事なのか。改めてFP氏に聞きました。
「ゴルフは4人1組ですが、自分のスロープレーが、同伴3人のリズムを狂わせるだけでなく、後ろの4人のメンタルにも大きな影響を与えるからです。つまり自分を除く7人への気遣いが必要です。もっと言えば、1人のスロープレーがその日のゴルフ来場者すべてのラウンド時間に大きな影響を与えるのです」。
アドレスしたら素振りはしない。林や池の方面にトラブルになりそうなショットを打ったら、カートに乗らず、複数のクラブを持ってすぐさま、ボールの捜索に向かう。ある程度距離の出るクラブ、木の枝に当たらないように低く打ち出せるクラブ、そしてラフなどの難しいライから出せる短いクラブの3本を持って、現場に直行しましょう。










