行き過ぎたカジュアル化の先にあるもの – 雑草リモートゴルファーの徒然日記Round 177(最終回)

2000年代前半から外資のアコーディア・グループが推進してきたカジュアル化は、それまでビジネスでの接待や一部富裕層の社交であったゴルフを、だれもが楽しめるスポーツに開放しました。ドレスコードの緩和や料金体系の見直しで、若年層や女性、初心者が気軽に楽しめる娯楽となり、ゴルフ人口の維持に貢献してきたと言えます。

その一方で、かれこれ20年もカジュアル化を進めてきた弊害で、プレーヤーのマナーが置き去りにされてきたのも事実です。重大なマナー違反のひとつが、スロープレーです。

スロープレーとは、文字通り、プレーが遅いこと。その原因はさまざまで、1ショットにかける時間が、推奨される40秒をはるかに超えたり、ショット以外の行動(クラブ選択やグリーン上で何度もラインを読むなど)で時間がかかったり…1組にプレーに時間がかかる人が複数いる場合、ゴルフ場運営に大きな障害となります。

カジュアル化によりセルフプレーが主流になると、プレーの進行をアシストするキャディーがいなくなり、プレー慣れしないビジターや技術的に未熟な初心者の組はどうしても遅くなります。世界最大のゴルフ場運営会社であるPGMをはじめ、多くのゴルフ場がハーフ2時間15分を推奨しています。つまり、1ラウンド4時間30分以内で回ることが求められています。

~スロープレーは重大なルール違反~

カジュアル化というのは、「だれでも、いつでも気軽にプレーできる」という特権が与えられるだけに、それを享受するには「後ろの組でプレーするゴルファーに迷惑をかけない」という気遣いが必要です。特に日照時間が短いこの時期は、1組のマナー違反が、その日1日のすべてのプレーヤーに影響を与えるのです。

スロープレーはマナー問題として指摘されますが、競技ゴルフでは、その組すべてのプレーヤーにペナルティーが与えられます。その点からも、スロープレーは重大なルール違反です。ハーフ2時間20分を過ぎた時点で、最終ホールの途中であっても、プレーを強制終了させるくらいのルールが必要かもしれません。極論すれば「18ホールすべて完走したいなら、それなりのマナーと技術力をつけなさい」とも言えます。

筆者がゴルフを始めた30年前は、ホールアウトしてグリーン上でスコアカードをつけていると、後ろの組から「早くグリーンから出ろ。スコアなんて次のホールでつけろ」と怒鳴られたものです。熟練の上級者たちから、「アドレスしたら素振りをしないですぐに打て」、「2打目以降はクラブを3本持って走れ」などと厳しく「プレーファースト」を教えられました。今は時代も変わり、うるさく注意するベテランゴルファーはいなくなりました。そういった役割を、ゴルフ場側がすべきなのでしょう。

~「自分ファースト」でなく、「プレーファースト」を目指そう~

とはいえ、毎週、ラウンドできる熟練ゴルファーならまだしも、年に数回しかプレーしないエンジョイゴルファーにしてみれば、「プレーファースト」はハードルが高いのも事実。技術的に必要なことは、自分が狙った場所にある程度、ボールを飛ばすことができ、そしてグリーンに上がる前に、ある程度の傾斜を把握して、自分の順番が来たら、スムーズにアドレスしてパッティング…。そして一番大事なのが、同伴競技者のボールの行方を確認すること。ボール探しの時間がスロープレーに直結するからです。

まさに時代は、昭和のゴルフを楽しんできた団塊の世代が後期高齢者になり、多くの若い世代がゴルフに参入しています。そうした若い方々に、お願いしたいのは、ゴルフを人生の趣味とするためにも、コースデビューの前に練習場でボールを打ち、最低限のマナー(グリーン上で走らない、同伴者がアドレスに入ったら雑音を出さない、etc)を勉強してください。決して「自分ファースト」にならず、「プレーファースト」を目指してください。

時田 弘光

~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送り、今年還暦を迎えた雑草勤め人ゴルファー。皆さんの充実したゴルフライフを願い、筆を置きます。長い間、ご愛読ありがとうございました。

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