アンダースペックもいいかも − 雑草リモートゴルファーの徒然日記⑳

ゴルフは14本もの道具を駆使してプレーするスポーツ。ゴルファーはそれぞれのクラブに飛距離や正確性を求めてクラブセッティングします。構えた時のヘッドの見え方、シャフトの硬さ、グリップの太さなど、自分の感性に合わせてフィットするものを選びたいものです。

さて、今回のお題は「アンダースペック」について。その道具選びにおいて、自分の技術や体力よりも少し緩めのスペックにしてみませんか、ということです。

筆者は身長160㌢前半、体重62㌔と小柄で握力も両手ともに35㌔。ドライバーのヘッドスピードは40m/s前後。非力なうえに、悲しいかな、すでに50代後半でもあり体力も落ちてきています。

ゴルフは30歳で本格的に始めましたが、当時は自宅近くの練習場にプロ野球選手が来ていて、「振れる限り、硬いシャフトを使ったほうがいい」と教わり、アイアンにはダイナミックゴールドのS300という今では考えられないほどの重くて硬いシャフトを使用していました。 ドライバーのシャフトも70㌘近い重さのSシャフト。当時のSシャフトは現在、市販されているシャフトよりも硬く仕上がっていて、ヘッドスピードが45m/s前後のゴルファーを想定していたと思われます。

一般アマチュア男子よりも飛ばす女子プロもシャフトはRやSRを使用している(月刊GDより)

若くて体力があったとはいえ、今思うと、かなりオーバースペックな道具を振り回していました。マッスルバックの7番アイアンは芯を喰って140ヤード、ピッチングで95ヤード、小ぶりな280CCのドライバーはランを入れて210ヤードといった具合。当時の主なプレイグラウンドは左右ペナルティーの河川敷だったので、硬いシャフトで弾道を低く抑えるという意味では、理にかなったセッティングではありました。

当時、競技に出場すると、ドライバーで250ヤード以上飛ばす同伴競技者のシャフトはほぼXシャフト。筆者がゴルフを始めた1990年代後半はジャンボ軍団全盛期で、練習場ではアスリートゴルファーがハードなシャフトで一生懸命ボールを打っていました。マックス220ヤードの雑草ゴルファーが同じような硬さのシャフトを使って頑張ったのはいいですが、左ヒジや腰を痛めて、シップを貼りながらクラブ競技に出ていたものです(笑)。

振れる限り重くて硬いシャフトがいい――。「重い、硬いと感じたら、体力作りに励もう」などと考えていたのは、40歳代前半まででした。それは「ひょっとしたら違うかもしれない」と思ったのが、今から10年前。海外出張でスペインに行った際、現地のゴルフ好きの旅行会社の社長からゴルフに誘われました。当然、クラブ持参ではないので、60歳代の社長が貸してくれたのが、パター以外すべてRシャフトのゼクシオのセットでした。

軟らかいシャフトはうまくタイミングを取ればキャリーが伸びる

当時、筆者が使用していたクラブはアイアンがダイナミックゴールドS200、ドライバーはテーラーメードでシャフトは68㌘でSX。貸していただいたゼクシオは、アイアンもRシャフトのカーボンでした。軽すぎて使えないかと思いきや、これが意外によかった。

まずボールがよく上がる。おまけに飛距離も自分のスチールアイアンよりも10ヤードほど飛ぶ。ドライバーも10度のRシャフトでしたが、高いドローが簡単に打てる。タイミングが悪いと右にふけたり、左にひっかけたりするが、そういったミスを差し引いても、最大飛距離がマイドライバーより15ヤードは飛んでいました。

ただ、ゴルフは構えた時のクラブヘッドの見え方も、弾道をイメージするのに重要な要素。フックフェースのドライバーは左に行きそうな感覚で、トップブレードが厚いアイアンはダフりそうなイメージでした。ところが、見た目は慣れてしまえば問題ありません。例えは悪いですが、「見た目は十人並みの奥さんだけど、料理は上手いし優しいから」という感じでしょうか。なんでも機能性が大事ですね。

この海外出張以来、アイアンもカーボンシャフト、ドライバーのシャフトはフレックスを落とすか、長尺にしてしなりを生かすようにしました。軽くて軟らかいからといって手打ちするのではなく、タイミングを取りながら、しっかり下半身と上半身のねじれで振る。すると硬くて重いクラブを使用していた時よりも、キャリーが出るようになったのです。気持ちに余裕ができて、競技でも安定して成績を出せるようになりました。そして何より、身体を痛めなくなりました。

ヘッドスピードが遅くても、スイングリズムが早い方は硬いシャフトが合う場合もあるそうですが、40m/s前後のゴルファーなら、女子プロのスペックを参考にするのがいいかもしれません。一発の最大飛距離や打感を求めるより、18ホールの平均飛距離を考えて、少し緩めのスペックでクラブを調整してみてはいかがでしょうか。

(時田 弘光)

雑草リモートゴルファーの徒然日記 〜No Golf No Life〜
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。

関連キーワード


※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。

あわせて読みたい