勤め人のゴルフスタイル。それでも70台を維持できる(下)~競技ゴルフへの誘い⑭

ストイックに競技を追及するアスリートゴルファーに公務員の方が少なからず存在します。公務員というと勤務時間が明確で、トレーニング時間もきっちり取れるという印象がありますが、職種によって様々です。

今回、紹介するのは、公務員の中でも危険と隣り合わせの職種。「若いころは24時間勤務して明けの繰り返し。もちろん自分の使命に誇りを持っています。ゴルフというスポーツの特殊性から職種を明かすのは勘弁してください」と千葉県のMさん(57)。

Mさん(身長175センチ、体重70キロ)は仕事の関係でトレーニングを毎日のように行ってきたため、アスリートとして必要とされる体幹、柔軟性を備えています。そんなMさんがゴルフを始めたのは、45歳を過ぎてから。それでも現在のJGAハンデは3.8。ある倶楽部のクラブ選手権にも優勝しています。

「内勤業務に配置転換されたタイミングでゴルフをやってみようと思いました。2007年と記憶していますが、インターネットの一人予約で非番の日にラウンド(2週間に一度のペース)に出かけました。自分は高校まで野球をやっていて、『止まっているボールを打つのはそんなに難しいことではない』というノリで練習場に行きました。先輩たちからは、そこで空振りしたとか、うまくいかなかったというエピをよく聞きましたが、自分の場合、最初の一発目が、練習場の250ヤードの看板のさらに10メートルぐらい上のネットに突き刺さるような凄いボールでした」とMさん。

最初に打ったボールがナイスショット。その爽快感にハマらないはずがない。先輩から道具のアドバイスを受け、練習場併設の中古ゴルフショップで、アスリートモデルのドライバーとアイアンセット(マッスルバック)を購入。翌日から明け番の日に練習場に通うようになったそうです。

<レッスンプロから学び、自分なりのメモを作成>

「ドライバーで当たった時の快感を求めて練習場に通うようになったものの、我流でそう簡単に上達できるものではありません。3か月経ってもアイアンがまともに当たらないし、ドライバーも当たれば飛ぶけど、どっちにも曲がるという状態。思い切って練習場の若手レッスンプロにイチから教えてもらいました」。

今やネット動画で様々なレッスンを無料で見ることができる時代。「自分の場合、動画で見て頭で分かっても、なかなか自分の動きに反映できない。安月給の公務員ですから、20分2000円のレッスンが精いっぱい」というMさんは、このレッスンプロから教わった詳細をメモして、自分だけのバイブルを作成したそうです。

悩んだ時に戻るのが自分なりのスイングバイブル。読み返せば悩み解消

「企業秘密ですが(笑)、自分なりの原則を公開します。それは、『ちょいフックのグリップ』『ビハインドザボール』『左肘下の腕を内旋しながらコック』『左肩が顎の下に入った時点でトップは終わり』『始動で作ったコックをキープして、右手を右足親指に突くようにダウン』『常にグリップエンドがスイング中、へそ周辺から外れない』『ダウンで右ヒザが前に出ない→前に出るとカット軌道になりシャンク』『上体は股関節に乗せて回す』『下半身はガニ股で、インパクトまで右太ももは左に流さない→分厚いインパクト』『始動からフィニッシュまで前傾姿勢をキープ』の10項目」。

Mさんの説明では、このスイング理論では、きちんと股関節に上体を乗せて、前傾姿勢を深く作ればアップライト(アイアン用スイング)。前傾を少し浅く作ればクラブはフラット目に入り、ドライバーで飛ばせるスイングになると言います。

「自分は祖父から小学生の頃に碁を教わりました。碁というゲームはルールがシンプルなだけに、石の『生き死に』を感覚で身に付けると、その後、何十年も打たず、社会人になってから再開しても有段者になれます。しかし自分がゴルフを始めたのは40代の後半。すでに感覚でスイングを身に付ける年齢ではないので、レッスンプロから理論を教わりました。『こうしたらこうなる』という身体の動きを頭で理解すれば、スイングに迷うことなく、長くゴルフを楽しめるはずと考えました」。

多くのエンジョイゴルファーが、練習場でもなんとなくボールが当たった、当たらないで一喜一憂している中で、Mさんは理詰めでスイングを考えたのです。

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実践感覚を磨くために、芝生からのアプローチ練習

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