米女子ゴルフの今季メジャー初戦、シェブロン選手権(米テキサス州、カールトンウッズクラブ=パー72)で海外メジャー初優勝を飾った西郷真央選手(23)が6日、一時帰国しました。現地時間29日に開幕する全米女子オープンに向けての一時調整とのこと。シェブロン最終日には、後半に崩れながらもメジャー史上最多の5人によるプレーオフを制しました。成田空港の会見で「諦めずにプレーして良かったです」と語った西郷選手。勝利の背景には不屈のメンタルがありました。
米ツアー2年目の西郷は、首位タイでスタートした最終日、3バーディー、5ボギーの74でホールアウト。最終日の西郷選手はアプローチのミスなどで後半に失速。首位に1打差で迎えた最終18番(472㍎、パー5)は、3㍍をねじ込むバーディーで、4日間計7アンダーとしてプレーオフに残ります。プレーオフでは、ライバルたちがバーディーパットを外す中、西郷選手はしびれる1㍍強をカップど真ん中に沈めました。メジャーという重圧なのか、首位を行くアリア・ジュタヌガーンがパーなら優勝の72ホール目で、グリーン周りのラフでチョロしたり、プレーオフでは2オンしたイン・ルオニン(中国)がまさかの3パットを犯すなど、“おかしな雰囲気”に包まれた最終日。西郷もそんな雰囲気に飲み込まれながらも、最後は不屈のメンタルで勝ち切ったのです。
Embed from Getty Images西郷が一気にスターダムに躍り出たのは2022年。開幕戦から10戦5勝というハイペース(当時の拙コラムをご参照ください)で勝利を重ねましたが、一方で首を痛めるケガによりスイングを変えたことから秋以降、ショットに狂いが生じました。最終戦のJLPGAツアー選手権ではドライバーからアイアンショットまで逆球が出る状態に。4日間通算35オーバーという成績に終わり、明らかにショットイップスの状態に陥りました。
それでも西郷選手は心を折ることなく、オフにはグリップがすり減るほどの練習を重ねたそうです。師匠である尾崎将司のアドバイスも大きかったと思います。球筋をフェードからドローに変えるなど試行錯誤を経て、2023年11月の伊藤園レディースでは539日ぶりの優勝を果たし、復活を遂げました 。その後、戦いの場を米女子ツアーに移し、2024年には1990年の小林浩美以来の新人王に輝きました。
所属する島津製作所のHPで、西郷選手は試合中に思うような結果が出なくても、自分のプレーに集中し続けることの重要性を強調しています。「結果に意識が行き過ぎるのは違う」と述べ、順位やランキングに左右されず、自分自身の目標に向かって努力を続ける。この姿勢は、どんな困難な状況でも諦めずに前進し続ける力強さに他なりません。また「すべての根幹は楽しいという気持ち。一生懸命ゴルフをするのは楽しいこと」と語っています。楽しいからこそ、心が折れない。楽しいからこそ、逆境から這い上るエネルギーが沸くのでしょう。
帰国後の会見で、22年後半のスランプについて聞かれた西郷選手は「これから、そうなったとしても自分のやるべきことをやっていきたい」と語っています。結果を意識せず、目の前の目標や課題に黙々と取り組んでいく姿勢に、拍手を送りたいと思います。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送り、今年還暦を迎える雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。つい15年前にはフルバックから7000㍎超のコースでクラチャンになりましたが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。










