客の車を故意に傷つけて保険金を不正請求していた中古車販売大手ビッグモーターの兼重宏行社長(71)が7月25日、記者会見を開き、引責辞任すると表明しました。「深く反省している」としながらも、不正については「知らなかった」と述べ、「個々の工場長が指示してやったのではないか」と自らの責任を否定しました。
すでにビッグモーターの不適切な保険請求事案は、昨年夏頃からネット上で拡散していました。ゴルフボールを靴下に入れて、客の車のボディーにぶつけることで雹(ひょう)害のような傷をつける。その他、現場は様々な方法で傷をつけ修理範囲を増やし、ノルマである1台14万円の修理代をクリア。兼重社長は、自動車保険会社への不正請求の舞台となった板金・塗装部門の工場長に責任があるとしました。しかし外部調査委員会の報告書では、不正を行った従業員の約6割が「上司からの指示」と回答。果たして組織ぐるみだったのかが焦点となっています。
会見を見ていて違和感をおぼえたのが、兼重社長の「ゴルフボールで傷をつける。ゴルフを愛する人に対する冒涜ですよ」の発言。ネット上の「お客様よりも従業員よりもゴルフ愛に満ち溢れているという思いは伝わりました」のコメに失笑しました。
①あるがままにプレー、②審判がいないスポーツであり、自身を律して公正公平にプレー、③いかなる突発的な出来事(危機管理)にも、ルールに準じて誠実に処置――。もし、兼重社長が本当にゴルフを愛する御仁なら、このような不祥事を起こし、その後の会見でもこんな笑止千万な内容にならなかったはずです。
中古車業界では、数十年前から距離メーター偽装や、事故隠しなど当たり前のようにありました。あるがままにプレーしていたら儲からないから、手を加える。自分を律して公正公平にやっていたら儲からないから、手を加える。そして今回の会見でも、不祥事の責任を社員に転嫁しています。
もっとも、社員が会社幹部に忖度するような組織にしてしまったのは、息子の宏一氏が副社長になってからとの報道もあります。兼重親子が本当にゴルフを愛するゴルファーの1人であるならば、自身の責任を明確にして被害者に謝罪したうえで、自身が保有する株式を売却し、損害賠償の責務を負うべきでしょう。ゴルフを愛する1人として残念でなりません。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。









