オークモントCC(7372㍎、パー70)、米ペンシルベニア州――苦労人のJ.J.スパウン(34歳、米国)が最終ホール、20㍍のバーディーパットを沈めて劇的な優勝を飾った。首位に1打差の2位タイで最終日をスタートしたが、最初の6ホールで5ボギーを打ち、前半でまさかの40。この時点で首位に4打差となったが、1時間36分の雨による中断から、バック9で息を吹き返し4バーディー(1ボギー)を奪った。最終ラウンドは72だったが、4日間唯一のアンダーパーで125代の全米王者となった。
★人生全力投球
全米オープンがオークモントで開催されるのは他コースを含め最多の10度目。フェアウエーを外すと、とぐろを巻くラフが待ち受け、大きなグリーンは複雑な傾斜が選手を苦しめる。
多くの選手が水浸しになったコース状況に苦しむ中、中断後、スパウンは12番で14㍍、14番で7㍍をねじ込み、17番(317㍎パー4)では、ドライバーを振り抜いてピン上7㍍につけるイーグルチャンス。確実にバーディーを奪い、最終ホールの劇的なパッティングにつなげた。
「バック9は全力を尽くした。これまでの人生、ずっとそうやってきた」。優勝トロフィーを掲げながら、スパウンは語った。最終ホールは、同組のビクトル・ホブランがほぼ同じ場所からバーディーパットをカップオーバーに打ってくれた幸運もあり、「スピードの感覚がつかめた」という。それにしても、カップ真ん中から飛び込む攻撃的なパッティング。3パットなら、ロバート・マッキンタイア(スコットランド)とのプレーオフだったが、本人は「ショートだけはしたくなかった」と振り返った。
Embed from Getty Images★一時は引退も考えた
下部ツアーを戦い、PGAに参戦したスパウン。かつてランキング200位圏外に落ちて引退も考えたという。しかし2021年にたまたま見た映画「ウインブルドン」に刺激を受け、家族のサポートもあって再び、ゴルフに打ち込んだという。昨年はケガなどで予選落ちが続き、苦しんだスパウン。しかし、ランク115位で迎えた今シーズン、コグニザントクラシックやプレーヤーズ選手権で2位に入る躍進を遂げた。プレーヤーズ選手では、ロリー・マキロイ(北アイルランド)とのプレーオフを戦い、敗れたものの全力で闘うことで地力をつけてきた。
大会記録によると、この4日間でスパウンは401.5㌳(約123㍍)のパットを沈めた。これは全参加選手中、一番長いという。何度も打ちのめされながら、粘り強さとあきらめない精神力で勝ち取った栄冠。強風や雨などタフな気象条件下が多い全英オープンでも、スパウンのプレーに注目したい。
(堂場 新一)
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ツアーレビュー 国内外のプロゴルフツアーの結果を適宜、振り返ります。











