関東倶楽部対抗への道 ~ 競技ゴルフへの誘い⑦

チーム戦という重圧の中で70台を出せば立派な競技ゴルファー

「デビュー戦はパターのタッチが悪く、前半に42を叩き、後半は38で我慢して80回。それでもチームでは最下位のスコア。スタートして3ホールは自分でも何をやっているのか分からない。ティーショットを林に入れて、ピンには遠いサイドでも安全に出すところを、少しでも前にと無理をして傷を広げた。焦りからやみくもにピンを狙って、難しいアプローチを残してしまう。悔しかった。そして自分の未熟さに腹が立った。しかしこの時の悔しさが、競技を続ける原動力になった」。

倶楽部対抗というチーム戦のプレッシャーに打ち勝って70台を出せば、立派な競技ゴルファーと言える。Sさんはこの後、エースとしてチームを引っ張り、倶楽部対抗選手団のキャプテンも務めた。キャプテンには選手選考の重責もあり、いつも頭を悩ませてきたという。

「我々のクラブでは、前年の研修会と月例競技の平均スコアで上位10人を選抜。3月に結団式を行い、5月のクラブ対抗予選までに、ホームコースで3回、予選会場で3回の計6ラウンドの数字で選考する。ホームでは抜群にいいのに予選会場ではスコアが出ない人。なぜか終盤や肝心なところで叩いてしまう人。そのだれもが『代表選手になりたい』という強い気持ちで戦っているから、選考では彼らの倶楽部対抗への想いを重視する。監督として何より大事なのは、誰にも分かりやすい選考と、選考から外れた選手が納得できる説明をすることだね」。

理不尽な選考でその後のクラブライフがおかしなものになってはいけないという、Sさんの強い信念が感じられます。

<勤め人競技ゴルファーの挑戦>

千葉県北東部のクラブに所属するHさん(47)の視線の先には、選手選考で最後の1枠を争った仲間が、グリーン上で真剣な眼差しでラインを読む姿があった。

この日の船橋CCは、晴天に恵まれるゴルフ日和となったが、小さく硬い砲台グリーンは、さらに硬さとスピードを増し、選手たちを苦しめました。

「先週の指定練習日で自分が84回、彼が78でした。それまでの平均スコアは自分のほうが彼よりも2ストロークは良かったのですが、最後はコースとの相性でした。そりゃ“ロープの外”は悔しいですよ。でも今日はクラブの一員として彼を一生懸命応援します」。