スループレーで行こう~エンジョイゴルフを極めよう⑥

新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、営業を続けるゴルフ場の多くはスループレーを導入しています。日本のゴルフ文化では、レストランでの食事も楽しみのひとつですが、これを機会にスループレーに慣れ親しんでみませんか。

ゴルフの発祥地である英国のゴルフ場は、クラブハウスのあるアウト(going out)から出て、折り返しのイン(coming in)でクラブハウスに戻ってくるレイアウト。一方、日本のゴルフ場の多くが、クラブハウスの全面に扇状に4ホール(1番、9番、10番、18番)を配置している。必ずハーフ終了後にクラブハウスで昼食を取ることができる設計ですね。

もちろん、仲間とのエンジョイラウンドではハーフ間の昼食は大きな楽しみ。特に夏場になると、9ホール終えたら、キンキンに冷えた生ビールを飲みたい。猛暑日にはさすがに18ホール回るのは熱中症の危険もあるし、そもそも疲れる。ハーフで休むのは合理的な考え方です。

元競技ゴルファーの筆者としては、ハーフ休憩なしでプレーするほうが、スコアも含めてパフォーマンスがいいと考えます。

スループレーはパフォーマンスを向上させ、スコアアップにもつながる

<完全スループレー導入でゴルフ人口減少に歯止めを!>

ここでスループレーのメリットをいくつか挙げてみましょう。
①プレーのリズムが良くなる。ハーフ休憩すると、せっかく9ホールでエンジンがかかってきたのに、昼食でクールダウンするとリズムを取り戻すのに2、3ホール消費してしまう。スループレーはそのままのリズムで後半に臨める。
②集中力が違う。昼食で胃袋に食事を入れると身体の動きが悪くなる。ガソリン(アルコール)注入はもってのほか。スルーなら集中力を持続することができ、スコアも良くなる。
③一日を有効に使える。朝早いスタートなら、渋滞する前に帰宅できる。あるいは、正午前にはプレーを終了して、午後は追加ハーフや練習場で反省できる。
④昼食代がかからないので財布にやさしい。

早朝スルーのコンペなら午前中でプレーを終え、午後は家族サービスできる

常にラウンドの究極の目標がスコアであるなら、スループレーは理想的。中には「前半で調子悪くて叩いた場合、休憩して気分転換できる」という人もいますが、ゴルフをスポーツと考えれば、少しでも短時間で集中したほうが良いパフォーマンスができるはずです。

筆者は以前、会社のコンペ(5組)を土曜日の早朝スルーで開催した経験があります。会場は千葉県東金市。参加者の半分以上が都内在住で、6時スタートに間に合うために、参加者は遅くても5時30分にはゴルフ場に着くタイムスケジュールを設定しました。都内から千葉県に車で行く場合、とりわけ土日は穴川からひどい渋滞となります。早朝スタートなら、渋滞知らず。帰りも午後1時前には穴川を通過できるので快適です。

ある参加者からこんな感謝の言葉をもらいました。「『会社のコンペは仕事の一環だから』と妻にゴルフの言い訳ができるし、さらにスループレーで午後2時前には帰宅できるから、家族サービスもできて妻から感謝されたよ」。

土日のコンペはゴルフ場への往来時間も含め、まさに一日仕事になっています。一部の名門ゴルフ場を除いて、パブリックや大衆ゴルフ場の多くで完全スループレーが導入されれば、時間に制約がある若い人たちも気軽にゴルフをすることができます。完全スループレーの導入が、ゴルフ人口の減少に歯止めをかけると思います。

ハーフ間に軽食を取ってスルー。プレーファーストも心がけよう

<プレーファーストでスループレーの達人になろう>

最後にスループレーを楽しむための心がけを考えてみました。

第一にプレーファースト。早いスタートの組ならなおさらです。一組のスロープレーが、ゴルフ場全体の流れを悪くします。せっかくのスループレーなのに結果的に通常のラウンドと同じ消費時間では意味がありません。従来のハーフ休憩ラウンドよりも、一人一人がテキパキとプレーする意識(「スロープレーを考える」参照)を持つ必要があります。

スループレーも、ゴルフ場の運営によっては、せっかくハーフ2時間以内で回っても、後半のハーフまで30分も待たなければならない場合もあります。外資運営の詰め込みゴルフ場では、よくあるケースですが、組数を多少でも減らし、タイムスケジュールを見直してもらいたいと思います。

多くのゴルファーが「ハーフでこんなに叩いちゃったよ。55回。後半、頑張りようがないな」などと、ラウンドを9ホールで区切るクセがついています。ゴルフはあくまでも18ホール。9ホールという枠で考えるから、精神的に余裕がなくなります。「昼食で美味しいビールを飲みたいから、ここは絶対にパーを取る」「ここでダボだと50回だ」などと精神的にプレッシャーをかけていませんか?

スコアに囚われてイライラしながらゴルフをしていたら、同伴者から愛されるエンジョイゴルファーにはなれません。

スループレーの場合、スコアカードにそれぞれ9ホールの合計を書く欄がありますが、あえてハーフスコアを書き込むのは止めましょう。スコアは18ホール終了してから計算すればいいのです。コンペで同組にライバルがいる場合は難しいですが、1打1打、ホールに向かって納得できるボールが打てればよし。一喜一憂するのもゴルフの楽しみですが、スコアを忘れて淡々とプレーしてみましょう。

ロジ面では、必ず軽食を携行しましょう。飲み物はもちろん、アミノバイタル、バナナ、チョコレートなどを補給。夏場に足が吊るという方は、漢方の顆粒を携行しましょう。「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が効きます。

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4月26日には世界の新型コロナウイルスによる死者が20万人を超えました。国内の感染者数、志望者数ともに増加し続けています。営業を続けるゴルフ場のほとんどがレストランと浴場をクローズしていますが、5月からはクラブハウス全体の閉鎖を検討するゴルフ場もあります。こういう状況下でもプレーを続けるゴルファーには、プレー中のマスク着用、乗用カートでの“密”を避ける、ゴルフ場から自宅の往来で余計な寄り道はしない―などの感染リスク低減に務めてほしいものです。

(時田 弘光)