【閑話休題】ゴルファーの敵、スロープレーを考える

今回はゴルファーの敵といっても過言ではないスロープレーについて考えてみましょう。

実社会でもそうですが、マイペースで行動が遅い人とは一緒に仕事をしたくないものです。ゴルフも同じ。ストレスなく気持ちよく一日を過ごすためにゴルフに来たのに、ノロノロやられたのではたまりません。

困ったことにプレーが遅いゴルファーほど、そのことを自覚していない。「おい、さっさとやれよ」と注意したところで、意に解しません。それどころか、「高いプレー代払って月イチのゴルフ。ゆっくり楽しんで何が悪い」と、逆ギレされるのが落ちです。

ゴルフの場合、実際にスイングを始動して1ショットにかかる時間はほんの数秒。スロープレーとなる要因の一つに、ショットに入るまでの手際の悪さがあります。

今年の最後のメジャー、第148回全英オープンはシェーン・ローリー(アイルランド)が優勝しましたが、最終日に注目を集めたのが、4位に終わったブルックス・ケプカ(米)の発言でした。

スロープレーを指摘される人は、ショットに入るまでの所作が異常に遅い

「自分はいつも打つ準備ができている。しかし彼は自分の順番が来てもグローブもはめておらず、その時になってようやく(そういえばグローブをつけていないな…などと)考え始める。他にもそういう選手はいるが…」と、同伴のJ.B.ホームズ(米)のスロープレーを指摘したのです。

ホームズは過去にもバーディーパットに1分40秒をかけ(コースメモをチェックして、ボールからカップまでゆっくり歩いて歩測し、さらにクラブを垂直に持ってラインを読み、アドレスに入ったと思ったら、またラインを読み直し…)、ある大会の最終ホールのパー5で2オンを狙うべきか迷いに迷い(イーグルならプレーオフという状況)、打つまでに4分10秒も消費し、問題視されていました。

つまり、スロープレーを指摘される人のほとんどが、ショットに入るまでの所作が異常に遅い。

今年1月からのルール改正で1ショット40秒という数値目標が設定されました。ティーアップしてボールを打つ、あるいはグリーン上でパットを打つまでの時間はほんの数秒でも、“前儀”が長いとあっという間に1分は経過してしまいます。

<直感的プレーのススメ>

例えば、月イチゴルファーの場合、まずボールをティーアップする所作に手間がかかります。ティーにボールを乗せる作業に10秒。ようやくアドレスしてから、「ちょっとボールが右寄りかな、これだとボールの頭打っちゃうかな?」などとモジモジしているうちにさらに20秒経過。ここで打てばいいのに、グリップを握り直したり、スイング軌道を確かめるハーフスイングをしたりでさらに20秒…

クラブ選択やグリーンの読みも直感と決断力が大事。これがスピードアップにつながる

2打目以降では、ピンまでの距離をキャディーさんに聞いたり、「7番アイアンかな、6番かな」などと逡巡して素振りを繰り返す…もうこうなると、同伴者はイライラを通り越して怒りすら覚えるでしょう。

プレーの流れの中でスムーズに準備できない要領の悪さと、決断力の欠如がスロープレーを生むのです。

この要領の悪さについては、改善の余地がありそうです。つねにプレーする同伴者の動きを観察し、自分の順番が来る前にある程度のルーティーン(肩を回したり屈伸して身体をほぐすなど)を済ませ、同伴者のショットが終わったら、よどみなくアドレスに入る。パットも同じで、グリーンに向かって歩いている時に全体の傾斜を把握し、同伴者のボールの転がりを参考にして、自分の番が来たら迷わずに打てるようにしましょう。

ゴルフは考える時間が長いスポーツ。ボールを打つまでに視覚的、感覚的な情報も入るだけに、機械的にボールを打つことは難しい。プロに限らずアマチュアでも「これだけアゲンストだと、このクラブじゃ届かない」「カップの右側のほうが高く見えるけどフックするのかな」など、決断力が試されるシーンが一日に何度も訪れます。

そんな時、クラブ選択やグリーンのライン読みをキャディーさんに頼らず自分で直感的に決めることで、ラウンド技術の向上につながり、プレースピードも向上します。そして何より日常生活や仕事での決断力を育むことになります。

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スロープレーヤーにこそスピードゴルフを