まさに「こんなゴルフをしてみたい」と思わせる素晴らしいプレーでした。3日間、ノーボギー。国内女子ツアーのニチレイレディス最終ラウンドが19日、千葉市の袖ヶ浦CC新袖C(6563ヤード、パー72)で行われ、西村優菜が6バーディー、ノーボギーの66で回り、トーナメントレコードの通算17アンダーで今季初優勝を飾りました。
袖ヶ浦CCでは、ブリヂストンレディースが本袖Cで初開催。ニチレイが行われた新袖Cは、狙い所がタイトな林間コース。打ち下ろし、打ち上げでグリーンは小さな砲台。過去にショットメーカーの申ジエが4勝していることからも、飛距離よりも正確なショットとショートゲームの成否が勝敗を分けるコースです。
今季未勝利の西村は、森田遥、佐藤心結と並ぶ11アンダーで最終日を迎えました。前半に4バーディーを奪った森田を追う展開となったバック9。ドラマは15番パー4で起きました。15番ホールは左サイドにバンカーがあり、西村のティーショットは、バンカー右横に約240㍎。森田はさらに20㍎先に転がって、ピンまで100㍎弱の位置に。しかし、森田のウエッジでのショットはまさかのシャンク。西村はピン左上約6㍍からのバーディーパットを沈めて15アンダーとし、ボギーの森田を1打逆転しました。
#ニチレイレディス|#Round3 🏆
— JLPGA_official (@JLPGA_official) June 19, 2022
単独トップの #西村優菜 選手が17番でもバーディー⭕️
スコアを16アンダーに伸ばしさらにリードを広げます📈✨
■GOLFTV・DAZNにてライブ配信中📱
🔗https://t.co/BFKoR2zmVo
🔗https://t.co/6L56uybILO#JLPGA pic.twitter.com/w28GRiSL7D
勝負を決めたのが、17番パー3(180㍎)。ショートウッドを手にした西村のショットは、ピン下50㌢に着弾。ホールインワンかと思わせるスーパーショットでした。
「17番は9ウッドでちょうどの距離。優勝争いではいつもより飛んでしまうので、球筋をストレートにして、キャリーを抑えて打ちました」と西村選手。ドローヒッターの西村選手ですが、この日はほぼストレートから落ち際に左にきれる安定した球筋で、難コースを攻略しました。
今年の西村選手の目標は海外メジャー参戦。初出場の全米女子オープンは残念ながら予選落ちでした。しかし今季は4月のKKT杯バンテリンレディスで2位(プレーオフ敗退)など、好調を維持してきました。JLPGAのスタッツを見ると、平均ストロークは70.5で3位、平均パット数(パーオンホール)は1.738でトップです。平均飛距離は230㍎で81位ですが、平均バーディー数もトップ。つまり、ショートウッドを駆使してパーオンし、得意のパットでバーディーをものにしているのです。
西村プロのセッティングをみると、ドライバー、スプーン、クリーク、7番ウッド、9番ウッド、6番ユーティリティー(26度)、アイアンは6番からPW(5本)、ウエッジは50度と58度の2本となっています。ドライバーの飛距離のハンデを克服すべく、170~200㍎をカバーするセッティングとなっています。

ドライバーの平均飛距離230㍎というと、一般男子アマチュアと同じような飛距離ともいえますが、あくまでも平均です。方向が定まらずラウンドで3~4発はOBを打つ自称飛ばし屋の260㍎ヒッターよりも、安定して飛ばせるのです。ゴルフ関連動画では、「いかに飛距離を伸ばすか」が大人気のようですが、少しでも落ち着いたラウンドをしたいなら、女子プロのスイング動画を参考にしたほうがよさそうです。
時田 弘光
~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。飛距離に難のある57歳。