将来有望の高校2年生、馬場咲希(日本ウェルネス高、東京都出身)が全米女子アマチュア選手権(米ワシントン州ユニバーシティープレイス・チェンバーズベイ)を制しました。36ホールのマッチプレー決勝は、モネ・チェン(カナダ)を相手に11&9(27ホール決着)の圧勝。日本勢では1985年の服部道子以来、37年ぶりの快挙となりました。
まだ線が細いですが175㌢の身長から270㍎のドライバーを放つ。アイアンも高弾道で、常にピンを狙う。飛距離だけでなく、グリーン周りからのアプローチとパッティングセンスが持ち味。最終日も序盤でリードを広げ、後半の序盤にショットが乱れて2ホール連続で奪われたものの、パー5の22ホール目で3㍍弱のバーディーを沈めると、6ホール連続でアップし、勝負を一気に決めました。
馬場選手は6月に初出場した全米女子オープンで49位。ドライバーを気持ちよく振り抜いて、難コースを攻略しました。今回の全米女子アマが開催されたコースは、傾斜のある丘陵でグリーンも傾斜がきつくショートゲームの成否が勝敗を分けました。優勝後の会見でも、「パットが良くて思い通りに打てたので、相手にプレッシャーを与えられた」と話しています。
DO THAT! Saki Baba holes out for eagle! 🦅 #USWomensAm pic.twitter.com/EpVk0PysCL
— USGA (@USGA) August 13, 2022
全米女子アマの優勝により、馬場選手は来年の全米女子オープンやAIG全英女子オープンなどメジャー大会の出場権を獲得。とりわけ全米女子はペブルビーチで開催されるため、馬場本人も会見で「それを目指していた。やばい」と目を輝かせています。
馬場選手は来年、日本ツアーのプロテストを受ける予定です。一方で将来は世界で戦う希望もあり、米国の大学に進学する道もあります。過去には、オクラホマ州立大で学び、1986年にプロ入りした伊藤桂子さんや、1985年に全米女子アマに優勝し、テキサス大に進学した服部道子プロ。1995年に日大からフロリダ大へ留学した東尾理子プロがいます。
GOLF | Japan’s Saki Baba wins U.S. Women’s Amateur in golf blowouthttps://t.co/N6kC9gUAIb#golf #sakibaba #馬場咲希 #USWomensAmateur
— Nikkei Asia (@NikkeiAsia) August 15, 2022
この3人はいずれも優れた学生アスリートに贈られる「オールアメリカン」と「アカデミックオールアメリカン」に選出されています。馬場選手ならゴルフ強豪校からの引く手もあまたでしょうが、大学進学という寄り道はあまり現実的ではありません。
けれん味のないプレーが清々しい馬場選手。順調に成長すれば、ここ数年のうちに畑岡奈紗、笹生優花、渋野日向子らとともに米女子ツアーを主戦場に戦うことになるでしょう。
時田 弘光
~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。そろそろドライバーで200㍎の壁が見えてきた57歳。