女子ゴルフで元世界ランク1位のリディア・コー(ニュージーランド)が、五輪ゴルフで“メダルスラム”を達成しました。ゴルフが五輪競技として復活した2016年のリオデジャネイロ大会で銀、2021年東京大会で銅、そして今回、念願の金メダルを獲得。27歳のコーは、日頃から「30歳になったら現役を続けない」と公言しており、恐らく最後のチャンスで偉業を成し遂げました。
「五輪にピークを合わせることができて、これ以上のことはない。金メダルをとれて本当にうれしい気持ち」と、試合後に話したコー。ゴルフ人生のピークを過ぎたかもしれないコーが、ゴルフに集中するために、試合前にインスタグラムを削除したといいます。
「もちろん、メダルスラムを達成したいと思っていましたが、言葉にするのは簡単。大事なのはゴルフに集中することだけ。他人に何か言われることでがっかりしたくなかったので、インスタを削除しました。これ(メダルスラム達成)は信じられない経験なので、とにかくこのチャンスを楽しむことにしました」。
このパリ五輪では、メダルを期待されながら、活躍できなかったアスリートに対する誹謗中傷がクローズアップされました。そこでコーは、あえてインスタを削除して、雑音をシャットアウトすることで、自分のゴルフに集中したのでしょう。
とはいえ、フランスのファンは熱狂的。コーへの応援がボルテージを増す中、11ホールを終えて最大2位と5ストロークの差をつけると、エスター・ヘンゼライト(ドイツ)が上がり2ホールを連続バーディーとして8アンダーでホールアウト。しかし百戦錬磨のコーは最終18番で1打差という重圧をものともせず、バーディー・フィニッシュで金メダルを獲得しました。
これまでに米女子ツアーで20勝を挙げているコーといえば、14歳の時、世界最年少でニュージーランドのプロの大会に優勝。翌年には米女子ツアーにも勝ち、プロツアーの最年少記録を破って話題となりました。黒縁の丸めがねのきゃしゃな女の子というイメージでしたが、当時はかなりの近眼だったようです。近眼の手術で眼鏡を外したことで、印象がガラッと変わったのを憶えています。今は韓国・ヒュンダイグループ名誉会長の孫と結婚。30歳までプレーするより、女性として幸せを求めることができる環境になったのでしょう。
コーはソウル出身。パリ五輪で金メダルを獲得したことで、米女子プロゴルフ協会の殿堂入りも果たしました。
振り返ればリオ五輪はジカ熱、東京五輪は新型コロナウイルスに翻弄されました。パリ五輪でようやく安心できる環境で開催されたものの、インスタなどSNSでの誹謗中傷が選手を苦しめました。国旗を背負い使命感を持って全力で戦った選手に対し、その結果や試合後の振る舞いで全人格を否定するような書き込みはいかがなものか。無責任な書き込みをする前に、一瞬立ち止まって、自分自身がそんなに立派な人間なのか、考えるべきと思います。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。










