引き算でゴルフを考えたい – 雑草リモートゴルファーの徒然日記vol.64

ドライバーでスカッと飛ばして、アイアンでビシッとピンにつけて…1日に1度でもそんなホールがあれば大満足。多くのアマチュアにとって、ゴルフの醍醐味とは、ティーショットで飛ばして、できればグリーンを狙うアイアンもキレキレのショットを打ちたいと考えるのが人情でしょう。

そのために多くのゴルファーは日夜、練習場でボールを打つのですが、満足なショットが打てるようになっても、必ずしもスコアにつながらないのがゴルフというスポーツの深いところ。じゃあ、スコアを少しでも縮めるにはどうすればいいのか――技術論は巷にあふれるレッスン動画にお任せして、今回はその方法論について考えてみます。

女子ゴルフの資生堂レディスオープン(戸塚CC(6570ヤード、パー72)最終日、青木瀬令奈プロが見事なショートゲームで今季初勝利とツアー通算3勝目を挙げました。首位スタートながら連続ボギーの苦しいスタートながら、好調のパッティングで続く3、4番を連続バーディー。特にバックナインは13番でチップインバーディーを決めるなど、6バーディー、3ボギーの69をマークし、ショートゲームで勝利を引き寄せました。

青木選手は、飛距離で勝負する選手ではありません。JLPGAの公式サイトで資生堂レディスのスタッツを見ると、最終日のドライビングディスタンスの平均飛距離は226㍎。決勝ラウンドに進んだ67選手中、268㍎のテレサ・ルー選手を筆頭に青木選手は59位。平均飛距離240㍎以上の選手の中で、青木プロは2打目をウッドやユーティリティーで果敢にピンを狙いました。それでも長い距離を乗せるのは大変なことでパーオン率は全体の28位。それでも優勝できたのは、平均パット数(28、3位)から推測できます。

戸塚CCは男子ツアーの試合も行われるチャンピオンコース。フェアウエーが絞られ、ラフが深く、必ずしも飛距離を出せばアドバンテージとなるセッティングではありませんでした。平均90くらいのアマチュアの月例競技でもそうですが、ラフが深く、グリーンが速いセッティングでは、必ずしも飛ばし屋さんが上位に来るとは限りません。

青木選手のドライバーのヘッドスピードは40m/s程度とのこと。まさに男子アマチュアの平均ヘッドスピードです。よほどのチャンピオンコースでない限り、220㍎を飛ばす能力があれば、理論上は6500㍎前後のセッティングでアンダーが出せることになります。もちろん、青木選手のようなショットの正確性、アプローチとパッティングの巧みさがないと無理ですが、夢のある話です。

大西翔太コーチは、「飛距離が出なくても勝てる」との信念で青木選手を指導。青木選手は優勝会見で大西コーチへの感謝を語っています。アプローチとパッティングの技術と、3番ウッドでもコントロールしてピンを狙えるショット力を磨いてきたそうです。

青木選手のクラブセッティングは、ドライバー、3W、5W、7W、9W、5UT、6UT、7UT、アイアンは8番からPW、52度、58度の5本。最近のモデルはアイアンのロフトが立っているので、ドライバーで220㍎前後の男子アマは、「150㍎のキャリーをロフト何度で打てるか」を基準にセッティングを決めたほうがいいかもしれません。いまはロフト30度や、34度のユーティリティーが販売されています、UTのほうが楽にボールが上がり、グリーンで止められるメリットがあります。

青木選手のゴルフは、バーディーパットを打つためにボールをどこに運んでいくかを常に考えているようです。当たり前の話ですが、カップから引き算してマネージメントすれば、もっとスコアにつながるゴルフができます。一発の快感を求めてドライバーを振り回すのも楽しみの1つですが、ショートコースに通いカップに近いところを練習するのが上達の近道だと思います。自戒を込めて。

時田 弘光

~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。飛距離に難のある57歳。

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