いやな予感が当たるのはなぜ? − 雑草リモートゴルファーの徒然日記⑯

先日、平日のおひとりさまゴルフで、典型的なマイナス思考の方とラウンドしました。

「あの谷、俺の飛距離じゃ越えない」

「うわっ。ちょっとボールが沈んでいる。これはうまく打てない」

「微妙な距離残した。スライスラインの1㍍は絶対に入らない」

この方、アドレスする前に、苦笑いしながら独り言。毎ショット、毎ショット、言い訳をしているようで、あまり気分が良いものではありません。

そして悪い予感を証明するように谷にボールを落とし、沈んだボールの頭を打ち、ショートパットを外します。

するとこの方、「ほらね。ダメでしょ。ダメなんだ」。クラブを地面に叩きつけて不機嫌になる人よりはマシですが、“悪い予感”を楽しんでいるようにも思いました。

ビジネスシーンでも会話していて、「~と思うのですが」と同意を求めると、「ていうか、それはまったくダメでしょう」と頭から否定する方がいます。考え方は人それぞれですが、いきなり否定形で相手の出鼻をくじくと、それ以上、中身のある会話にはなりません。「○○さんのご意見はその通りですが、こういう視点で考えると、どうでしょうか」とボールを返せば、さらに違った展開になるのですが…

”いやな予感”がその通りになるのは、わざわざ悪い結果をイメージするから

脳科学の世界では人間の脳は否定形を受け付けないそうです。何をするのも肯定形で良いイメージを持ったほうが、スムーズに身体が動くそうです。

「俺の飛距離じゃ越えない」→「いつものスイングで200㍎を打つ」
「これはうまく打てない」→「トップ気味に低いボールを打つ」
「スライスラインの1㍍は絶対入らない」→「カップの左サイドに打つ」

「〜できない」という考え方では、楽しいプレーはできませんし、上達も望むべくもありません。そしていわゆる「いやな予感」がその通りになるのは、わざわざ悪い結果を脳にインプットすることで、そのような結果を自ら導いているからです。

落ち着いたメンタルを維持するなら、結果を考えないことです。「越えない」のではなく、自らの飛距離である「200㍎を打つ」。「ボールが沈んでいるからうまく打てない」のではなく、「ボールの赤道を狙って低い球を打つ」。いずれにせよ、今すべきことは、「ボールを打つ」こと。過去の失敗経験や、近い将来の過度な期待もダメです。

落ち着いたメンタルを維持するなら結果を考えず、目の前の1打に集中する

いやな予感が当たるのも、いざという時に緊張するのも、近未来をイメージするからです。「この1㍍を入れたら優勝」「ここでボギーだと予選落ちだ」など、よくある局面ですが、「タラレバ」を考えることがいかに無益なことか。

以前、所属していたクラブでマッチプレーの鬼と呼ばれていた大先輩は、同伴者のスイングを見ず、同伴者に気付かれぬように耳栓をしてマッチを戦っていました。

「同伴者のスイングは見ない。耳栓をするのは、人が打つ前に『おっ、左からのアゲンストに変わった』などと余計な情報戦を仕掛ける人がいるから。黙々と目の前の1打に集中すれば緊張もしないし、自分の世界で戦える。相手は同伴者じゃなくて自分だから」。

大先輩はマッチに臨むとき、”究極のマイペース”を貫いていました。強い人に共通するメンタルコントロールです。

(時田 弘光)

雑草リモートゴルファーの徒然日記 〜No Golf No Life〜
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。

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