エージシュートができる幸せ − 雑草リモートゴルファーの徒然日記⑰

プロ、アマ問わずゴルファーとして究極の勲章はなんでしょうか?

メジャー大会での優勝、クラチャンになること、ホールインワン、アルバトロス…いろいろありますが、やはり試合でのエージシュート(自分の年齢以下のスコアを記録する)ではないでしょうか。

ゴルフはパー72ですから、アンダーの世界に住むプロの場合、60代後半になればチャンスはあります。しかし多くのアマチュアは、齢70を過ぎると飛距離がガクンと落ちるので、よほど神がかりのショートゲームが決まらないと、バックティーから行われる競技でのエージシュートはほぼ不可能です。

先日、千葉市の東急セブンハンドレッドクラブで行われたレジェンドツアー「太陽生命 元気・長生きカップ」で、グランドシニアの部(5705㍎)に出場した76歳の岡田美智子プロが74で回り、国内女子ツアー史上初のエージシュートを記録しました。 プライベートでは過去に6回、エージシュートを達成しているという岡田プロは「試合でのエージシュートが目標でもありました。本当にうれしい」と会見で語っています。毎朝1時間10分のウォーキングを欠かさずトレーニングをしてきたそうです。

エージシュートはプロ、アマ問わずゴルファーにとって究極の勲章

岡田プロは1995年11月に開催された大王製紙エリエールオープンで、51歳312日で優勝し、女子プロツアーの世界最年長優勝者としてギネスブックに認定されています。この時にも「よく食べ、よく寝て、節制すること」と話しています。長く現役を続けるには、身体に負担をかけず、トレーニングを続けることが大事なのですね。

一方、男子ツアーでは、レジェンド・ジャンボ尾崎が2013年つるやオープン初日、66歳で62を叩きだし、2017年のツアーワールドカップ第2日目に70歳で70をマークして、2回のエージシュートを達成しています。レギュラーツアーでの達成はすごいと思います。2002年の全日空オープンでは、55歳241日で優勝し、男子ツアーでの最年長記録を果たしました。ちなみにUSPGAツアーでは、1965年にサム・スニードが52歳312日でグレーターグリーンズボロオープンに勝利したのが最年長です。

ところでエージシュートに規定はあるのでしょうか。「日本エイジシューター協会」によると、「18ホールの総ヤーデージが男子は6000㍎以上、女子は5000㍎以上で達成すること」だそうです。

6000㍎といえば、一般男子アマチュアがプレーする白ティーからの距離。ドライバーの飛距離220㍎の筆者も、70代後半になって、現在の飛距離と健康を維持すれば、エージシュートの可能性も出てきます。若い頃から不摂生の筆者は、70代後半では、ドライバーの飛距離云々より、まず生きているかどうかが不安です。 筆者の知人の競技アマチュアに、とんでもない方々がいらっしゃいます。毎日の朝練を欠かさず、日本アマや日本シニアにも出場し、全盛期には「今年は絶対に80を打たない」などと宣言していた方。御年64歳で、フルバックから8アンダー64で回り、エージシュートを達成しました。この方はすでに70を過ぎていますが、日本グランドシニアにも出場し、まだまだ精進しているそうです。

身体の強さ、柔軟性とゴルフへの情熱があれば、エージシュートは現実のものになる

ある大先輩は60歳を過ぎてから飛距離が20㍎も伸び、競技ゴルフの黄金期を迎えました。70歳になっても飛距離が落ちず、所属クラブの研修会でエージシュート(72)を達成したそうです。

このお二人に共通するのは、身体の強さと柔軟性、そしてゴルフへの情熱です。それともう1つ、ヘビーだった喫煙もある時期からきっぱり、辞めたそうです。アルコールより喫煙のほうが身体の老化を促進するそうです。 エージシュートは、数字上は年齢を重ねれば達成の可能性は高くなりますが、日頃の節制とトレーニングを怠れば体力が低下し、達成は難しくなります。いつまでもベストスコアを更新するというモチベーションを保ち、健康に気をつければ、いつの日か、最高の勲章を手にすることができるかもしれません。

(時田 弘光)

雑草リモートゴルファーの徒然日記 〜No Golf No Life〜
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。

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