桜の開花とともに全国で人の移動が活発になりました。新型コロナウイルスの感染拡大は収束することなく、カラオケボックスでのクラスターなどが報道されています。ゴルフ場においても、レストラン営業や大型コンペの受け入れが再開されました。感染症に強いゴルフ場でも間違いなく感染リスクは高まっています。ゴルファー各人の感染対策が求められています。
競技ゴルファーの祭典・関東倶楽部対抗(関西はインタークラブ選手権)が、2年ぶりに開催されます。関東ゴルフ連盟によると、競技当日は問診票の提出と検温を実施するなどの対策を行うそうです。感染拡大が続くなかで、出場選手の削減、各倶楽部関係者の人数の制限や、ギャラリーの入場を禁止。クラブハウスでの成績の張り出しもなく、プレー終了後はすみやかにコースからの退出を求められます。
従来の“お祭り”的な雰囲気はなくなりますが、クラブ内での公式競技が中止となる中、選ばれた選手の皆さん方は、久しぶりの団体競技に意気込んでいると思います。数年前まで代表選手としてプレーしていた筆者も、本来なら競技仲間の応援に行きたいところですが、残念ながら今回はギャラリーとして入場することができません。クラブの名誉をかけて戦う皆さんの活躍を心から祈るばかりです。
さて、先日、ホームコースに当日飛び込みでラウンドしました。ご一緒したのは、まさにある倶楽部から代表選手として出場する方。久しぶりに目的意識を持った競技ゴルファーと、緊張感あるラウンドをさせていただきました。

この方は、数年前にクラブチャンピオンになった40代後半のアスリートさん。スタート20分前に到着して、練習グリーンでボールを多少転がしてティーグラウンドに行くと、しっかりと日焼けした倉田さん(仮名)から「よろしくお願いします」と爽やかなご挨拶をいただきました。
飛び込みの組み合わせでは年配のメンバーが多く、青からのプレーがほとんどですが、本日は当たり前のように黒(フルバック)から。もう1人の同世代の同伴者もシングルハンデの競技志向の方だったので、久しぶりに試合モードでのラウンドとなりました。
スタートホールは500㍎のパー5。倉田さんはアドレスに入る前にターゲットを定めながら身体をほぐすような素振り。構えるとスムーズなテークバックから力強いインパクトで一気にフィニッシュ。力強いボールで250㍎を楽に超えていきました。
聞けば倉田さんは今年に入ってすでに30ラウンド以上、ラウンドしているとのこと。クラブの月例にはできるだけ参加し、ラウンド後はアプローチ練習を欠かさない。ショット毎の流れるようなルーティーンは同伴者にもピリッとさせるものがありました。
「自分は練習から試合まで1打にこだわりたい。いかにミスを克服してスコアをまとめるかが楽しい。きょうは調子が悪いからこんなものか、というプレーをしていたら上達はおろか、どんどん下手になると思いますよ」と倉田さん。エンジョイゴルフを標榜して現状維持どころか、下手になっている筆者にはハッとさせられる一言でした。

当たり前ですが、試合を想定している倉田さんは、グリーン上で慎重にラインを読みます。アドレスしたら一定のリズムでストローク。微妙な1㍍を確実に沈めていました。一方、筆者は1㍍前後をポロポロ。これではスコアになりません。目的意識を持ってプレーする方はショートゲームが丁寧です。
筆者も競技にはまっていた頃は、年間ラウンド数の7割は何らかの競技(パブリックコースの月例、ホームコースの研修会、県アマ、練習場の競技など)に出場していました。ここ2年はプライベートばかりなので、微妙なショートパットをOKでホールアウトするなど、プレーが雑になっていたのは事実です。
実際にパットがイップス気味の筆者にはOKなしラウンドはキツイものがあります。ここ2年はスコアを気にしないエンジョイゴルフで、1㍍前後のショートパットも気楽に打てるようになってきましたが、競技者たちとのプレーで久しぶりに手が震えました。意外にもそれが快感でした。ゴルフシーズンになり、久しぶりにクラブの月例ぐらいは参加してみようと思った次第です。
(時田 弘光)
雑草リモートゴルファーの徒然日記 ~No Golf No Life~
数年前まで仕事の傍ら競技ゴルフを追求してきたが、加齢とともに競技引退。おひとりさまゴルフやプライベートラウンドで、自堕落でゆるいゴルフライフを過ごすことになった雑草勤め人のコラム。