心の病気がゴルファーに与える影響 – 雑草リモートゴルファーの徒然日記Round114

女子プロゴルフツアーのNEC軽井沢72(長野県・軽井沢72G北C)最終日で、公共交通機関に乗るとパニックになることを公表している菅沼奈々選手(23)が、プロ6年目でツアー初優勝を手にしました。

菅沼選手は2020年に「広場恐怖症」であることを公表。彼女の場合、自分の意思で外に出ることができない電車やバス、飛行機などの公共交通機関が苦手で、ツアーの移動も父親が運転する車に限っていました。そのため、北海道や九州など遠方のツアーには出場せず、関東を起点に車で行けるゴルフ場の大会に照準を絞ってきました。

優勝後、同期の稲見萌寧と抱擁したシーンが感動的でした

精神科医などによると、広場恐怖症とは、元来は広々とした空間にいることで恐怖を感じる病気と解釈されていました。しかし現代では、自分を制御できなくなるパニックが起きた時に逃げることが困難な状況で、不安を抱く病気とも解釈されています。菅沼選手のように公共交通機関を利用できなかったり、映画館や劇場など囲まれた狭い場所にいる場合や、多くの人が並ぶ列に並んだり、群衆の中にいる場合にも恐怖心などを感じる場合が「広場恐怖症」にあたるそうです。

広場恐怖症は遺伝性のものが多く、10代後半から発症し、慢性的に続くそうです。そのため、この病気に苦しむ人の3割程度が自宅から出ることができず、働くことができません。菅沼選手の場合、自分が抱える心の問題を包み隠さずに公表し、ご両親など周囲の協力を得て前向きに対処することで、トッププロとして活躍しています。

ちなみに菅沼選手の今季平均ストローク(8月14日現在)は、70.71ストローク(20試合)で9位。彼女の心からの笑顔を見ていると、そんな病気とは無縁の健康なアスリートにしか思えませんね。菅沼選手は「同じような症状を持っている方々を勇気づけられたら」と話しています。


心を病みながら戦うプロゴルファーは海外にもいます。マスターズに2度優勝(2012, 2014)し、USPGAツアー12勝を誇るレフティーのバッバ・ワトソン(44)がその1人。

ワトソンは18年のトラベラーズ・チャンピオンシップ以来、勝利から遠ざかりました。その原因が不眠症。ゴルフウイークによると、ワトソンは当時の症状について「頭の中にたくさんのノイズがあった。死ぬかと思った」と話しています。

マスターズ2勝のバッバ・ワトソンもメンタルのトンネルをくぐり抜けた

この時期、3回も緊急搬送され、恐怖で食事も取れず、体重が激減。ツアーからの撤退も考えたといいます。当時、ワトソンは自分の症状についてメディアに話すことに消極的だったようです。しかし、自分が苦しんでいる状況を明らかにすることで状況が変わりつつあります。

「精神的な問題について声を上げる人が増えている。私もその1人になりたい。それが病気を乗り越える唯一の方法ではないか」。ワトソンはメンタルの壁を乗り越えたようです。

USPGAツアー6勝のマックス・ホーマも精神を病んだ1人。スポーツ心理学者の指導を受け、自信のメンタルヘルスについて積極的に語ることで、メンタルのトンネルをくぐり抜けました。

生活がかかるプロとは比較できませんが、筆者の知る全国レベルのトップアマも精神的な問題(試合の朝にうつ状態になる)で、一時期、クラブ競技などのチーム戦への出場を辞退していました。その症状を聞く耳を持つ友人に話すことや加齢も手助けして、今は充実した競技ライフを送っています。

時田 弘光

~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。

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