【閑話休題】若い世代をゴルフに取り込むために

ゴルフはいつ始めても遅くない生涯スポーツです。青空の下、大自然の中で、ボールを遠くまで飛ばす爽快感。運動の大半が歩くことなので、有酸素運動で健康にもいい。昼食時間も入れれば約6時間も一緒にプレーするので、初対面の同伴者でも親しくなれる。ひょっとしたら生涯の伴侶を見つけることも…

しかし残念ながらゴルフを一生の趣味とするには、経済的なハードルが高い。

レジャー白書などの調査では、日本のゴルフ人口(練習場でボールを打つだけの人も含め)は約800万人と言われています。その大半は60歳以上で、団塊の世代(1947~49年生まれ)が後期高齢者となる2025年には、数百万単位でゴルフ人口が減り、業界自体も大きく縮小する可能性があります。

若い世代(20~30代)がゴルフを趣味として選択しない限り、この国のゴルフ業界に未来はありません。非正規雇用労働者が増え、終身雇用制も崩壊しかけている社会で、日々の生活に汲汲とする若い人たちが、あえてお金のかかるゴルフを趣味にするでしょうか?

答えはノーです。確かに多くの会員制ゴルフ場では、30歳代のメンバーも増え始めていますが、かなり経済的に恵まれた方々です。これまでも言われてきたことですが、さらなる大衆化を図り、気軽にゴルフを始められる環境を作らない限り、ゴルフ人口は減る一方です。

若い世代のゴルフ離れは業界の死活問題。ゴルフに入りやすい環境が必要

ここで若い人たちのハードルとなっている消極的要因をいつくか挙げてみましょう。

①初期投資も含めお金がかかる

ゴルフを始めるには、クラブを始め、キャディーバッグ、手袋、ボール、ウエアなど、ある程度の初期投資が必要です。さらに道具をそろえても、ある程度、ボールが打てるようになるまで練習場に通う必要があります。クラブは中古で安いものを購入しても、練習場代などを含め、6~7万円の初期投資は必要でしょう。一日遊べるとはいえ、セルフプレーでも土日のラウンドはメンバーでもない限り、15000円はかかる。交通費もバカにならない。

②ゴルフ場に行く足がない

バブル時代と比べると、都内の若者の車の所有率はかなり下がっていると言われます。まず車を購入するためにローンを組むのが怖い。購入したとしても保険料、ガソリン代、駐車場代など維持費がかかる。

③マナーが面倒、ルールが難解

誰が言ったかゴルフは紳士のスポーツ。思い立ったが吉日とばかり、何も知らないでコースに行くと、結局は不愉快な思いをして、「もうゴルフは二度としない」ということになりかねない。マナーは服装から始まり、クラブハウス内やコースでの所作。難解と言われるルールも、今年1月に改正されたものの、すべてを理解することは難しい。

④やるからには上達したいが、なかなか上手くならない

バブルが崩壊する1990年前半までは、ゴルフをすることが社会人としての嗜みで、営業では欠かせないビジネスツールでした。仕事の一環として始めるからには、終業後、練習場に通い、一生懸命ボールを打ちます。当時、コースデビューをしようとする若手に年長者が贈る言葉が、「トラック一台分のボールを打ちなさい」。真っ平らな練習場のゴムマットからボールを打てるようになっても、左足下がり、前下がりなどさまざまなライに対処しなければならないゴルフ場では、うまくボールが打てない。いつまでたっても100が切れないまま、ゴルフ熱が冷めてしまう。

⑤ゴルフをすると一日がつぶれる

プレースタイルにもよりますが、早朝スタートのスループレーでもない限り、土日のラウンドは間違いなく、一日がつぶれます。ゴルフ場での消費時間が、朝の練習時間、プレー時間、昼食時間、コンペならパーティーの時間を合計すると、7~8時間は必要。さらにゴルフ場と自宅の往復移動距離を考えると、子どもが小さいうちは、土日の度にゴルフを入れることは難しい。

上達のカギは“お金と時間”ではなく、ゴルフに対する情熱と工夫

それではこの5つのハードルについて考えてみましょう。

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若い人たちのハードルとなっている5つのハードル