【ツアーレビュー】USGA 全米オープン(2025/6/15) スパウンが劇的なバーディーフィニッシュで全米を制す

OAKMONT, PENNSYLVANIA - JUNE 15: J. J. Spaun of the United States celebrates winning on the 18th green during the final round of the 125th U.S. OPEN at Oakmont Country Club on June 15, 2025 in Oakmont, Pennsylvania. (Photo by Andrew Redington/Getty Images)

オークモントCC(7372㍎、パー70)、米ペンシルベニア州――苦労人のJ.J.スパウン(34歳、米国)が最終ホール、20㍍のバーディーパットを沈めて劇的な優勝を飾った。首位に1打差の2位タイで最終日をスタートしたが、最初の6ホールで5ボギーを打ち、前半でまさかの40。この時点で首位に4打差となったが、1時間36分の雨による中断から、バック9で息を吹き返し4バーディー(1ボギー)を奪った。最終ラウンドは72だったが、4日間唯一のアンダーパーで125代の全米王者となった。

★人生全力投球

全米オープンがオークモントで開催されるのは他コースを含め最多の10度目。フェアウエーを外すと、とぐろを巻くラフが待ち受け、大きなグリーンは複雑な傾斜が選手を苦しめる。
多くの選手が水浸しになったコース状況に苦しむ中、中断後、スパウンは12番で14㍍、14番で7㍍をねじ込み、17番(317㍎パー4)では、ドライバーを振り抜いてピン上7㍍につけるイーグルチャンス。確実にバーディーを奪い、最終ホールの劇的なパッティングにつなげた。

「バック9は全力を尽くした。これまでの人生、ずっとそうやってきた」。優勝トロフィーを掲げながら、スパウンは語った。最終ホールは、同組のビクトル・ホブランがほぼ同じ場所からバーディーパットをカップオーバーに打ってくれた幸運もあり、「スピードの感覚がつかめた」という。それにしても、カップ真ん中から飛び込む攻撃的なパッティング。3パットなら、ロバート・マッキンタイア(スコットランド)とのプレーオフだったが、本人は「ショートだけはしたくなかった」と振り返った。

Embed from Getty Images

★一時は引退も考えた

下部ツアーを戦い、PGAに参戦したスパウン。かつてランキング200位圏外に落ちて引退も考えたという。しかし2021年にたまたま見た映画「ウインブルドン」に刺激を受け、家族のサポートもあって再び、ゴルフに打ち込んだという。昨年はケガなどで予選落ちが続き、苦しんだスパウン。しかし、ランク115位で迎えた今シーズン、コグニザントクラシックやプレーヤーズ選手権で2位に入る躍進を遂げた。プレーヤーズ選手では、ロリー・マキロイ(北アイルランド)とのプレーオフを戦い、敗れたものの全力で闘うことで地力をつけてきた。

大会記録によると、この4日間でスパウンは401.5㌳(約123㍍)のパットを沈めた。これは全参加選手中、一番長いという。何度も打ちのめされながら、粘り強さとあきらめない精神力で勝ち取った栄冠。強風や雨などタフな気象条件下が多い全英オープンでも、スパウンのプレーに注目したい。

(堂場 新一)

★新連載
ツアーレビュー 国内外のプロゴルフツアーの結果を適宜、振り返ります。

関連キーワード


※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。

あわせて読みたい