雑草リモートゴルファーの徒然日記Round 172
第50回の記念大会となったマスターズ最終日、ロリー・マキロイ(北アイルランド)が念願のキャリアグランドスラムを達成しました。2000年のタイガー・ウッズに続く、史上6人目の快挙。マキロイ自身、2014年の全英オープン優勝でグランドスラムに王手をかけてから11度目の挑戦で念願のグリーンジャケットに袖を通しました。
2011年の最終日に80を叩き優勝を逃してから14年。ジャスティン・ローズ(イングランド)とのプレーオフ1ホール目で80㌢のバーディーパットを沈めると、マキロイはグリーン上にうずくまって歓喜の涙を流しました。21歳で悔し涙を流し「もっと強くなる」と誓ったマキロイは、35歳になって、ようやくパトロンたちの歓喜の嵐に包まれました。
A long time coming. Congratulations, Rory. #themasters pic.twitter.com/f72nOxQbfw
— The Masters (@TheMasters) April 13, 2025
3日目を終えて計12アンダーで同組のブライソン・デシャンボーに2打差でスタートした最終日。オーガスタの女神はマキロイに何度も試練を与えました。マキロイはスタートホールで、ティーショットを右バンカーに打ち込み、3打目のアプローチをピン上につけて、そこからまさかの3パットでダブルボギー。波乱の1日を予想させるスタートでした。優勝後のインタビューでマキロイは「あのダブルボギーで緊張感を少し緩めることができた」と話しています。
落ち着きを取り戻したマキロイはその後、3バーディーを奪い、13アンダーでサンデーバックナインに。当初は最終組のマッチプレーかと思われた最終日、序盤で単独首位に立ったデシャンボーはショットが安定せず優勝戦線から脱落。3オーバー75で5位タイに終わりました。
バーディーならマキロイの優勝と思われた13番パー5。安全策で刻むマネージメントを選択したマキロイにこの日、2度目の試練が訪れます。ピンまで86㍎の3打目がグリーン右手前のクリークに。ここから寄せきれずにダブルボギー。この時、16番パー3では、ローズがピンを刺すショットでバーディーを奪い、11アンダーで並びます。
マキロイは続く14番もボギーとし、ローズも17番で短いパーパットを外し、ルドビグ・オーバーグ(スウエーデン)と3人が10アンダーで並ぶ大混戦に。筆者も約20年、マスターズを観戦してきましたが、サンデーバックナインの終盤で優勝争いがこれだけ混沌とした大会はあまり記憶にありません。

そして15番パー5でマキロイにスーパーショットが生まれます。フェアウエー左からピンまで210㍎を5番アイアンのハイドローでピン横2㍍に。残念ながらイーグルとはなりませんでしたが、バーディーとして11アンダーとします。そしてこの時、最終ホールでは、史上最年長優勝を狙う44歳のローズが6㍍のバーディーパットをねじ込み、11アンダーでホールアウト。マキロイにとって親しい友人でもあるローズが、偉業達成に大きく立ちはだかります。大きな試練、そしてなんというドラマでしょう。
マキロイは17番パー4でもバーディーを奪い、計12アンダーの1打リードで最終18番に向かいます。しかし、さらなる試練が最終ホールで訪れます。ティーショットはフェアウエー左サイド。ピンまで残り125㍎の第2打のウエッジショットは、まさかの右バンカー。ここから2㍍弱に寄せたパーパットは、無情にもカップをかすめるボギーで、ローズとのプレーオフになりました。
18番でのプレーオフは、ローズがフェアウエー右サイドにナイスショット。2打目もピン上4.5㍍につけました。ローズは2017年のマスターズで、セルヒオ・ガルシア(スペイン)にプレーオフで敗退。なんとしてもグリーンジャケットを手に入れたい強い思いがあります。ショットの後、遠くを厳しいまなざしで見つめるローズに、勝利への執念を垣間見ました。
そしてマキロイはレギュレーションの最終ホールと同じようなドライブで、フェアウエー左サイドに。狙いを修正してピン上80㌢につけるスーパーショット。これを慎重に沈めて勝負を決めました。
ローズは偉業を達成したマキロイに「君のキャリアグランドスラムをグリーン上で見届けることができて嬉しい(Listen, I was glad I was here on this green to witness you win the career grand slam)」と祝福しました。悔しい感情を抑え、勝者を称える。ローズは間違いなく偉大な敗者です。
「ローリー、ローリー」と、声援を送るパトロンたちの熱狂はこれまでにないほど熱いものでした。まさに記念大会にふさわしい最終日。9アンダーの3位にはパトリック・リード(米)、8アンダー4位に連覇を狙ったスコッティ・シェフラー(米)が入りました。松山英樹は2アンダー21位タイで今年の大会を終えました。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。










