アクティブな女性ゴルファーが業界を救う – 雑草リモートゴルファーの徒然日記⑦

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長の不適切発言でクローズアップされたジェンダーギャップ。ゴルフという娯楽でも、日本では長らく女性ゴルファーへの偏見と差別が偏在していました。

かれこれ20年ほど前には、女性だけの組が前にいると、「早く打てよ。これじゃハーフ3時間ペース。女性がいると遅い」などとイライラするせっかちなご高齢の男性ゴルファーを少なからず散見しました。

バブル時代に接待ゴルフで筋金入りのプレーファーストを身につけてきたことから、ラウンド経験の少ない女性や若い世代にことさら厳しい。混雑する土日のラウンドでは仕方ない状況なのに、「女性は遅い」という固定観念に囚われていたのでしょう。

しかし、時代は変わりました。

ジュニアからゴルフをしてきた一部のアスリートを除き、多くの女性は飛距離が出ないので、グリーンまでは「届かないから打ちます」と、小刻みにプレーします。グリーン上も「女は度胸」のパッティングで、サッと打ちます。あくまでも筆者の主観ですが、むしろ女性だけの組はプレーが速いという印象です。

東京五輪ゴルフ会場となった霞ヶ関カンツリーも正会員は男性のみだった

多くのメンバーシップ制のゴルフクラブでも、女性への差別は明白。メンバー数が少ないという理由から、浴室が狭い。トイレの数も少ない。会員権を購入する際も、いわゆる名門と呼ばれるクラブでは、女性用の会員権は男性よりも高い。もともと出回っている数が少ないため、市場価格は高くなります。

東京五輪のゴルフの会場となった埼玉県川越市の霞ヶ関カンツリー倶楽部では、正会員を男性だけに限定していたことが問題となりました。もともと会員制倶楽部は、クローズなもので外部からとやかく言われる筋合いはありませんが、男女平等を謳う五輪会場となっては分が悪い。指摘があった後に、女性にも正会員への道が開かれました。

日本ゴルフ場支配人会連合会の調査では、女性のゴルフ場年間来場者数は15年の650万人から19年には732万人まで伸びています。来場者数の男女比でも、女性ゴルファーは10.6 %から11.6%と微増しています。コロナ禍の昨年は、30代までの女性来場者数が大幅に伸びているというデータもあります。ヴィクトリアゴルフなど大手ショップでも女性用ゴルフ用品の販売が好調だそうです。

実際にネットのひとり予約でも、女性のエントリーが増えています。子育てが終わった女性のラウンド需要は以前からありましたが、コロナ禍でリモートワークが増え、平日ゴルフの機会がさらに増え、多くの女性がゴルフ場に目を向けています。

受け入れるゴルフ場側は、若い世代の子育て女性ゴルファーを呼び込むために、無料託児スペースの整備なども求められます。古い施設のゴルフ場は、リニューアルの際に、男女とも同じ広さの浴室やトイレを確保すべきと考えます。

コロナ禍で昨年から女性ゴルファーの来場者数が増えている

2000年代に入り、PGMやアコーディアなど、もともとは外資のゴルフ運営会社が、経営が傾いた旧態依然たるゴルフ場をグループ化したおかげで、リーズナブルな料金で気軽にプレーできるゴルフ場が増えました。こうしたゴルフ場の会員権は、性別による料金差はありません。またゴルフ場の施設もきれいに改装され、多くの女性ゴルファーを呼び込む環境を造成したと言えます。

最近は週末のゴルフ場でも若いカップルのゴルファーが増えました。競技志向の女性ゴルファーも徐々に増えていると聞きます。プロも女子ツアーが活況を呈している。団塊の世代が後期高齢者となる2025年もあとわずか。若い世代の女性たちが、間違いなくゴルフ業界を盛り上げていくでしょう。

(時田 弘光)

雑草リモートゴルファーの徒然日記 ~No Golf No Life~
数年前まで仕事の傍ら競技ゴルフを追求してきたが、加齢とともに競技引退。おひとりさまゴルフやプライベートラウンドで、自堕落でゆるいゴルフライフを過ごすことになった雑草勤め人のコラム。

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