決めたいパットは迷わず強めに -雑草リモートゴルファーの徒然日記Round71

先週、ツアー初優勝したばかりの岩井千怜選手が、CATレディース最終日(神奈川・大箱根CC)、ボギーなしの2アンダー70で回り、通算13アンダーの逃げ切りで2勝目を挙げました。最終ホールは、1.5㍍のパーパット。弱いと右に切れるラインを、アドレスすると素振りもせずにしっかり打って、見事にねじ込みました。

ツアー初優勝からの2週連続優勝は史上3人目。さらに20歳47日での達成は、史上最年少記録だそうです。岩井選手はボールがカップに吸い込まれた後、右腕を何度も振り上げて喜びを表現。はじけるような愛くるしい笑顔は、渋野日向子のようなスター性を感じさせます。

さて、3日間通じて、岩井千怜選手のパッティングは素晴らしいものでした。ショットも安定感があり、パーオン率が高い中で5~6㍍のパットを沈めていく。最終日は3番で1.5㍍のバーディーパットを沈めた後、我慢のパープレーを続け、17番でようやく3.5㍍を沈めてバーディーとし、先に12アンダーで上がった山下美夢有選手を1打リード。しかし最終ホール(パー5)は3打目をショートし、バーディーパットも打ちきれず、微妙な1.5㍍が残りました。

岩井選手のルーティーンは中継を見る限り、ロングパットの場合、カップまでの距離を分割してラインを確認し、ボールと正対し3~4回素振りをしてからアドレスします。ワンピンの場合で素振り1~2回、それより短い場合は、アドレスしてそのままストロークしているようです。

優勝を決めたパーパットもボールをセットしてアドレスした後、素振りをしないでしっかりストローク。優勝後の記者会見で「ドキドキでした」と話した岩井選手でしたが、岩井選手のアドレスには、そんな緊張感を感じさせません。

この日の岩井選手は長いパットもほぼジャストタッチで、グリーン上ではストレスの少ないプレーをしていました。

パッティングはメンタル。時間をかけ過ぎると考えすぎます。挙げ句、入らないとイップスに。岩井選手のグリーン上での所作は慎重かつ大胆。全国のイップスゴルファーにとって、大いに参考になると思います。素晴らしいパッティングは健全な精神に宿る。まだ健全なメンタルを維持する岩井選手には、どんどん勝ち星を重ねてほしいものです。

時田 弘光

~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。そろそろドライバーで200㍎の壁が見えてきた57歳。

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