JLPGAの放映権管理によるメリットとは?−雑草リモートゴルファーの徒然日記㊱

ゴルフ秋の陣が盛り上がっています。マスターズチャンプの松山英樹が10月24日に千葉県で行われた「ZOZOチャンピオンシップ」最終日、最終ホールに劇的なイーグルで米ツアー7勝目を挙げると、翌週には埼玉県で開催された「樋口久子 三菱電機レディス」で渋野日向子がペ・ソンウとのプレーオフをイーグルで退け、ツアー6勝目を手にしました。 いまや日本を代表する二人のスター選手がともに活躍し、コロナ禍のゴルフブームに拍車をかけています。渋野が優勝した最終日の平均世帯視聴率はなんと12.4%。今年の日曜同時間帯の女子ゴルフの平均視聴率が8%程度なので、この数字は驚異的です。この盛り上がりの中、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が先月下旬、2022年シーズンから全競技の放映権が同協会に帰属すると発表しました。

https://twitter.com/JLPGA_official/status/1454726092527341576

海外ではほとんどのスポーツ運営団体が放映権を持ち、それを地上波だけでなくネット放送など各種メディアに売ることで収益を上げています。日本の場合は、まだ女子プロゴルフが人気のない時代から、地上波のテレビ局が放映権料を支払うことなくスポーツコンテンツとして放送してきた。また日本のゴルフツアーは、男女ともスポンサー(主催者、特別協賛社など)が丸抱えで賞金や運営費などを出してきた歴史があり、「放映権は主催者にある」という考えで、いくら平均視聴率が上がっても、男女プロゴルフ協会にはお金が入らない状態でした。

しかし時代は変わり、多くのゴルフファンが質の高い海外ツアーの中継をネットや有料ケーブルチャンネルで見るようになりました。そして男子は人気が低迷する中、女子ツアーは毎年のようにスター選手が現れ、売れるコンテンツとしての地位を確立してきたといえます。

こうした状況からJLPGAは2017年に、放映権の管理を唐突に言い出したため、1960年代の草創期から女子プロゴルフの興隆に貢献してきた民放各社が反発。以来、協会と地上波各社で根回しを続けてきた。この4年間で、ツアーの現場ではネット中継の優位性が証明され、大会にお金を出す主催者の多くが、「放映権は協会が管理すればいいのでは」(ツアー運営関係者)と考えるようになったそうです。 そうなると来年から地上波でゴルフ中継を見ることができるのか?同協会は22年度の地上波、BS、 CS放送の放映権料は無料としているので、放送がなくなる心配はなさそうです。

ネットで試合結果を知った後、地上波で観る録画中継は面白くない

ファンにとっても放映権がJLPGAに帰属することのメリットは大きい。スポーツ観戦は結果が分からないから面白いのに、ネットで試合結果が出たのを見てから、地上波の録画放送を見るのは味気ない。ネット配信でライブ中継を見ることができれば、モバイル端末からもどこでも観戦することが可能になります。またネット中継は頻繁にCMをはさむ地上波と違い、切れ目なく中継を楽しめ、オンデマンドなら都合の良い時間帯に楽しめる。

今季はすでにGOLFTVがJLPGAの公認競技をライブとオンデマンドで配信しています。9月の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯からJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップまで6試合の配信が決まっています。

これまで画一的なゴルフ中継をしてきた地上波も、23年度以降は協会に放映権料を支払い中継することになり、いかに魅力あるライブ中継を行うか、今後のスポーツ中継のあり方を見直す必要がありそうです。

JLPGAが放映権を持つことで気になることもある。これまで試合にお金を出してきた主催企業や協賛社は、賞金と運営費を支払ってきたが、新たに放映権料の負担が増えることで、ライブ中継を担当する事業者から中継費の一部負担を求められる可能性もある。これまでより負担が大きくなると、どこかにしわ寄せがくるもの。予算内に収めるために、賞金の減額を協会に求めるケースも出てくるかもしれない。いずれにせよ、JLPGAは財政基盤の安定を図り、さらに魅力あるツアー運営をしてほしい。

時田 弘光

~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。

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