せっかくゴルフを始めたのに~続ける人との分かれ目は? – 雑草リモートゴルファーの徒然日記Round118

ゴルフ業界では、団塊の世代(1947年4月1日~1950年4月1日生まれ)が2025年にすべて後期高齢者となりゴルフリタイヤを迎えるとみられる2025年問題が喧伝されるも、予想さえしなかったコロナ禍で、多くの若い世代がゴルフに参入。ゴルフ場は20~30歳代のアクティブなプレーヤーでにぎわい、ゴルフ会員権市場もバブル期のような活況を呈しています。

ゴルフは楽しい。これをしないで生涯を終えるのは「なんと味気ない人生だろう」と、多くのゴルファーが思うはすです。

ところが業界関係者の話では、コロナ禍でせっかくゴルフを始めたのに、すぐに辞めてしまう人も多いそうです。

さまざまな理由があります。

① 練習場に行ってボールを打ったが、なかなかうまく当たらない。練習しても上達しない。なかなか100が切れない!

② 営業の武器になると上司に言われて仕事を理由に始めたものの、怒られてばかりでストレス。

③ クラブ購入などの初期投資、毎回の交通費や、ラウンド経費を考えると、安いレジャーではない。

④ ある程度ラウンドできるようになったが、親しくしていた友人やベテランのゴルファーからマナーやルールなどいろいろ言われてイヤになった。

こんなところでしょうか。①については、よく分かります。今はネットで多くのレッスン動画がアップされていますが、なかなかうまく行かないようです。
グリップの仕方も分からない超初心者が、あまりマニアックな動画を見ても理解できないでしょう。

練習場で素晴らしいスイングを身につけ、ボールもある程度打てるようになっても、ゴルフ場のラウンドでスコアを出すには、ラウンド慣れが必要です。素晴らしいスイング、素晴らしいショットとスコアは必ずしも一致しない。その理由は、グリーン周りのショートゲームや、マネージメントにあります。これを一つ一つ、クリアしていくのが、ゴルフの醍醐味でもあるのですが。

②の上司の手ほどきも、いろいろなケースがあるでしょう。学生時代からゴルフ部でならし、かなりの腕前で、しかもマナーやルールに詳しい上司なら、レッスンプロよりも的確に指導してくれるでしょう。とはいえ、こういう上司は少数派。体育会系の上司だと、熱血指導にストレスを感じるかもしれません。

いわゆる接待ゴルフで大事なのは、プレーの技術よりも同伴者への気遣いやマナーなので、自分でボールの行方を追えない初心者には、同伴者を気遣う余裕はありません。営業をかねての接待ゴルフは、同伴者を笑わせる小咄をいくつか用意するくらいが無難でしょう。

ということで、仕事で悔しい思いをして、「絶対に上手くなってやる」とゴルフに燃えることができるか。ある程度、ボールを打つ楽しさを実感すれば、続けようという意欲がわいてくると思います。

③の経済的負担。失われた30年で勤め人の給与水準が変わっていない状況で、ゴルフの初期投資については、以前よりも安価になったと言えます。ゴルフパートナーなど中古ネットワークの充実や、ネットでのオークションでクラブは安く手に入ります。

プライベートでラウンドするにしても、都内に住む多くの若い世代にとって、ゴルフ場に行く際の足となる車を所有するかどうか。これは大きな経済負担になります。郊外に住み、車を持つ友人と相乗りしたり、電車で行けるゴルフ場をホームにするなど、工夫が必要です。「そこまでしてゴルフなんてやりたくない」と思えば、それまでです。

④については、お一人様ゴルフなどの組み合わせで入ってくるベテランゴルファー、あるいはクラブ競技で一緒になった中級者から、プレーだけでなく、マナーなどについて指摘されるケースです。また親しくしていた友人から、まったく自覚していなかったスロープレーなどを指摘されて、人間関係そのものが崩れてしまうケースもあります。

見知らぬ方とのラウンドは、新鮮なもので、普段から仲間内としかプレーしない若い世代にとっては刺激が強いこともあります。ここ数年はルールも大幅に変更となったため、シニアゴルファーから「2度打ちはペナルティーだよ」などと言われることがあるかもしれません(さすがにもうないですかね)。また、ゴルフで友を失うのは最悪です。ラウンド時に不穏な雰囲気を感じたら、自分のプレーの印象を、複数のラウンド仲間に聞いてみましょう。

ゴルフは時間をかけてスイングを磨き、自分のゴルフスタイルを築いていくもの。別にプロになるわけではないので、スコアはそこそこでいいのです。上達の過程で、いろいろな壁にぶちあたります。そこで辞めてしまうのか、あきらめずに練習を続けるのか、ゴルフを人生の趣味にできるかどうかの分岐点。いやな思いをしたら、一時期、休んでもいいと思います。友人や仕事、家庭の環境が変われば再開するのもあり。長い時間をかけて自分のゴルフライフを考えてみてください。

時田 弘光

~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。

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