北海道美唄市のゴルフ5カントリー美唄コース(6472㍎、パー72)で行われたゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント。初日から局地的な雨などタフなコンディションでしたが、すでに今期2勝を挙げている櫻井心那(19)が通算10アンダーで、山下美夢有らの猛追をかわし、10代でのツアー3勝目を飾りました。
2位タイにはメルセデスランキング2位の山下と北海道出身の小祝さくら、前日まで単独首位を守っていた鈴木愛はスコアを伸ばせず8アンダーの4位に終わりました。櫻井の10代でのツアー3勝は、宮里藍、畑岡奈紗に続き史上3人目。偉大な2人は米ツアーで活躍。キャリーで260㍎を飛ばせる櫻井は、十分に国際大会で通用する飛距離を持っています。
#ゴルフ5レディス 🏆|#Round3
— 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA) (@JLPGA_official) September 3, 2023
激戦を制したのは #櫻井心那 !!!✨
史上3人目となる、10代でのJLPGAツアー通算3勝を達成しました!!!🎊👏
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2日目までは雨の影響でグリーンのスピードはそれほど速くありませんでしたが、最終日はピン位置に加え、スティンプメーター10㌳とスピードも出て、スコアはそれほど伸びません。序盤は同組の鈴木、小祝と競り合いながら、後半へ。12番は左ドッグレッグの357㍎パー4。ティーグラウンドからの直線距離ではグリーンエッジまで約320㍎ですが、櫻井は豪快なショットでショートカットを狙い、ピンまで約30㍎まで飛ばしました。ゆるみのないアプローチショットでピン横1㍍弱につけてバーディー。9アンダーの単独首位に立ちました。
池の絡む難しい16番で小祝がバーディーを奪い9アンダーで並ぶと、2組前でプレーする山下が17、18番を連続バーディーでホールアウト。3人が並ぶ状況に、最終ホール(382㍎、パー4)のティーグラウンドに立った櫻井は力強いドライバーショットでピンまで残り約120㍎に運びます。46度ウエッジでピン下2㍍につけると、「緩まないように」と上りの右に曲がるラインをしっかりストローク。ボールは右に切れながらもカップに吸い込まれました。櫻井は落ち着いてボールを拾い上げると、右こぶしを軽く振りながら、笑顔を見せました。
優勝後のインタビューで櫻井は「グリーンに来るまで、山下さんがトップだと知らなくて、これ入れないと3人でプレーオフかと。最後のパットは邪念を捨てて、絶対に入れるという気持ちで打ちました」と話しました。ちょっと控えめでしなやかな受け答えが印象的です。
櫻井は長崎県長崎市出身。166㌢、62㌔の恵まれた体格から繰り出す平均257㍎のドライバーが得意クラブ。長崎日大高校3年の2021年11月にプロテストで一発合格を果たし、翌22年にステップ・アップ・ツアーで5勝を挙げて下部ツアーの賞金ランク1位となりました。JLPGAツアーは今季初参戦で、前半戦は予選落ちが4試合、トップ10入りは2試合のみと苦しみましたが、7月の資生堂レディスオープンで初優勝すると、3週後の楽天スーパーレディースで2勝目を挙げました。
目標とするプロは小祝さくら。「このところ何試合も一緒に回れて、きょうは尊敬する小祝さんと優勝争いできてうれしかった」と櫻井。小祝プロから学んだことは「バーディーでもボギーでも表情が変わらないところ」だそうです。
次戦は今季メジャー2戦目の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯。地元・長崎県のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(6735㍎、パー72)で開催されます。櫻井は米ツアーへの憧れを抱いており、「海外で活躍する畑岡さんに続いていけるようがんばりたい」と話しています。北海道での優勝で世界ランクも56位まで上昇。来年の米女子ツアー出場権をかけるQスクールの受験も視野に入れ、まずは国内メジャー初優勝を狙う!
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。