プレーヤーの誠実さがより求められる~ルール改正③

前回までのコラム)
シンプルなルール、時短プレーでゴルフを変えよう~ルール改正①
合理的ルールでエンジョイゴルフ~ルール改正②

ゴルフはプレーヤー自らの判断でルールを適用し、自らペナルティーを申告するスポーツ。それだけにプレーヤーは正直であり、常に誠実であることが求められてきました。来年からの新ルールでは、さらに性善説に基づいた裁定が行われることになります。

テレビ中継されるプロのトーナメントで度々、議論になるのが、視聴者からの指摘で選手にペナルティーが課されるケース。

最近では、2017年の米女子ツアーANAインスピレーションの3日目に、レクシー・トンプソン選手がグリーン上でマークした場所からわずかに違う場所にボールを置いてパットしたことがテレビ視聴者からの指摘で発覚。「誤所からのプレー」と「過少申告」で計4打罰が、最終日の優勝争いの最中に競技委員から言い渡されるという、あまりにも気の毒なケースでした。

視聴者が指摘した映像では、トンプソンが元のボールの位置より1センチあるかないか横に動かしたかどうかという微妙なレベルで、意図的に動かしたかどうか判別し難いものでした。

結局、トンプソンはプレーオフで敗れますが、タイガー・ウッズが「テレビ視聴者は競技委員ではない」と疑問を呈するなど多くのプロがトンプソンを擁護しました。

こうした声を反映したのか、来年からの新ルールでは、ビデオによる映像などでプレーヤーの処置が誤っていたことが後に判明しても、「プレーヤーの合理的な判断が支持される」ことになりました。

<“重大な非行”には失格を明記>

プレーヤーに正直で誠実さを持ってプレーすることを行動規範として明確にする一方、ゲームの精神に反する重大な非行(serious misconduct)については、委員会(それぞれのゴルフ場の競技委員会や、各地区ゴルフ協会など)にプレーヤーを失格することができる権限を明確に記述しています。

現在のルールでは、不明確な概念である「エチケット違反」があった場合、委員会がプレーヤーを失格とする裁量を与えていますが、何が「エチケット違反」なのか、明確な記述がありません。

新ルールでは「重大な非行」を具体的に例示しています。
・恣意的にグリーンを傷つける行為。
・ティーインググラウンドのティーマークやOB杭などを動かすこと。
・クラブを他の選手や観客に投げつけること。
・同伴競技者がストロークに入った時、恣意的あるいはそれが不注意であっても気を散らす行為をすること。
・ラウンド中、何度も粗野で乱暴な言葉を発すること。

当然ながら、卵を産む(明らかに紛失球の恐れがある時、同伴者の目を盗んで、ポケットに忍ばせたボールを落とす)行為、ボールを動かす行為、スコアをごまかす行為も重大な非行となります。

注意しなければならないのが、「不注意であっても同伴者の気を散らす行為」をすること。アドレスに入っているのに、他の同伴者と大きな声で話したり、くしゃみをするなどの“うっかり”行為も重大な非行に解釈されます。現行ルールではマナー違反の範疇で、「ごめんなさい」で済まされた行為も、競技失格につながることになるので注意が必要です。

<ボールを偶然、うっかり動かしても無罰>

ラフに入ったボールを捜索中に、偶然、ボールを蹴ってしまった場合や、グリーン上でボールを動かしてしまってもペナルティーはありません。元の位置にリプレースしてプレーを続行できます。当然ですが、意図的に動かした場合はペナルティーです。

深いラフなどからウエッジで打ったボールが自分の身体に当たってしまった場合も、新しいルールでは無罰となります。

その他、動かせない障害物やペナルティーエリアで救済を受けるとき、現行では肩の高さからボールをドロップしていますが、新ルールでは膝の高さからになります。救済エリアも、プレーヤーのバッグの中で最も長いクラブを使用して、1クラブレングス、あるいは2クラブレングスを計測することになります。

以上、ルール改正の一部を紹介しましたが、いかがでしょうか。まずは同伴者への気遣いから。そして「ボールはあるがままに打つ」基本さえ守れば、楽しいゴルフライフが送れるはずです。