ゴルフをカップルで楽しむコツ~エンジョイゴルフを極めよう④

ゴルフ人口が減っていく一方、ゴルフ場では最近、30代の若いカップル、あるいは夫婦の姿をよく見かけるようになりました。

まったく知らない同士がラウンドを共にするだけでも親しい間柄になるゴルフ。カップルや夫婦ならどれだけ絆が深まり、生涯忘れることのない素敵な思い出になることでしょう―そう、やり方さえ間違えなければ…

まずは夫婦で楽しむゴルフから考察しましょう。

<二人で上達しながら青春をもう一度>

夫婦ゴルファーで長続きするカップルは、夫婦の腕前が同じくらいか、奥様が旦那様よりお上手というケースが多いようです。もちろん、その逆もありますが、よほど気遣いのある旦那様でない限り、夫婦げんかの原因になることも。

筆者が千葉の名門・Sゴルフクラブでお会いした50代前半のK夫婦は、まさに前者のパターン。もともとは奥様がゴルフスクールに入ったのをきっかけに、「末永く楽しめて健康にも良いゴルフをしよう」(K奥様)と、旦那様も一緒にスクールに入りました。金融機関に勤めるご夫婦は、お二人で名門コースの会員になり、毎週、土曜日にラウンド、日曜日にレッスンという羨ましいゴルフライフを満喫しています。

レッスンの成果でしょうか、K夫妻のスイングはオーソドックス。ラウンド経験が浅いため、スコアは100前後ですが、上達の速度がほぼ一緒で、二人の家での会話もその日のラウンドの反省や、YouTubeで見つけたレッスン動画の話で盛り上がっています。

お互いが同じように上達していく過程を楽しんでいるため、どちらか一方が上から目線で指導するようなこともなく、同じ悩みを二人でどうやって解決していくか、じっくり話し合うそうです。「お互いのスイングについて、豊洲にタワーマンションを購入した時よりも真剣に意見を交換しています」とK奥様。

「若いころは趣味もなく、お互い仕事中心の生活だったので、青春を取り戻そうと、週末は二人でゴルフ漬けの生活です。子どもがいないので、教育費にかかるはずだったお金を会員権購入に投資しました。そこでふと思ったのですが、やはり共通の趣味を持つことは素晴らしいということ。結婚して20年も経って恥ずかしい話ですが、ゴルフを趣味にしてからのこの3年間は恋人同士に戻ったような、フレッシュな気分です」とK旦那様。

ゴルフを共に上達しながら、充実した夫婦生活を送る。いや~羨ましい!

スタートラインが一緒の“夫婦ゴルフ”は人生を豊にする

<とことん奥様に楽しんでもらう。決して余計なことは言わない>

次のケースは旦那様が上級者の場合。ホームコースでクラブ選手権にも優勝するほどのバリバリの競技ゴルファーのOさん(54)は、競技以外では夫婦でラウンドします。

「本来は根っからのエンジョイゴルファーで、もっぱら奥さんとばかりラウンドしていたのですが、悪友に誘われて競技にハマッてからは競技人生一直線。競技仲間とのラウンドが増えてしまいさすがに罪悪感があるので、奥さんと回る時は奥さんに楽しんでもらおうと、おもてなしの心全開でプレイします」とアスリートのOさん。

ちなみにOさんは学生ゴルフ出身ではありません。社会人になってからゴルフを始め、仕事の合間を縫って、毎日、練習場でボールを打ち続け上級者になりました。ネットのスイング動画の研究にも余念がありません。もともと理論派のOさんはホームコースの競技仲間にレッスンするほどの評判の教え上手です。

「奥さんには決して、教えません。『どうしてラフから出ないの?』『なんでバンカーから出ないの』と具体的に聞かれた時に、『じゃあ、こうしてみたら』というぐらい。男性と女性では理解の回路が違うので、あまり難しいことを言うと、『あんたは教え方が悪い』となってしまう。基本は奥さんに気持ち良くプレイしてもらうことで、アドバイスしてうまくいったら『良かったね』と拍手を送ります」。Oさんはよく奥様を分かってらっしゃる。

しかしいくら競技ゴルファーとはいえ年間ラウンド数が増え続けたら、さすがに夫婦関係は微妙になるはず。O夫婦の場合、奥様が「あんた、これだけお金をかけてゴルフをしているのだから、中途半端な成績なら競技ゴルフはやめなさい」と渇を入れているという。

そしてOさんが競技で活躍する姿も奥様の楽しみになっている。ゴルフが二人の信頼関係を築いています。

余計なことは言わず、とことん奥様に楽しんでもらうのが夫婦ゴルフの要諦

<無駄な言い訳をしない>

ゴルフほど人間性が出るスポーツはありません。そういう意味で結婚相手の人間性を探るのに、ゴルフはぴったりのリトマス試験紙ではないでしょうか。

最後に結婚前のゴルフカップルに、ラウンド中に肝に銘じるべき3原則を紹介します。

①言い訳をしない

ゴルフはミスがつきもの。可愛い彼女とのラウンドでかっこをつけたい気持ちはよく分かりますが、まずは自分の力量をよく理解し、とんでもないミスをしても「やっちゃった~」と笑い飛ばしましょう。あるいはミスをしても表情を変えず、何事もなかったように次のショットに向かいましょう。彼女から「いま、どうしたの?」と指摘されたら、「えっ、何かあった」と満面の笑みで返すのもいいでしょう。言い訳ばかりのパートナーと長い人生を歩んでいくのはしんどいものです。

②人のせいにしない

キャディー付きプレイの場合、自分の責任を棚に上げて、キャディーさんを非難するような行為はNGです。ミスショットは自分のせい。OB打った後に、「え~っ、左OBって聞いてないよ」などと言わない。たまたまナイスショットが広いフェアウエーの真ん中のディボット跡に入っていても、何事もなかったように、脱出しましょう。間違っても「なんだよ、この穴。ふざけんなよ、このゴルフ場、ちゃんと管理しろよ」などと叫ぶようでは器の小ささをひけらかしているのと同じです。

③他人への気遣いを忘れずに

ゴルフ場では、気遣いすべき人がたくさんいます。まずはキャディーさん、次にパートナー、そして二人以外の同伴者。「きょう1日、よろしくお願いします」と挨拶は忘れずに。同伴者のボールの行方をきちんと見て、林に打ち込んだら、自分も一緒に探しにいきましょう。同伴者のボール探しをスムーズに行うことがプレーファーストにつながり、後続のプレイヤーへの気遣いにつながります。また昼食時のレストランスタッフやフロントスタッフへも紳士的な態度で臨みましょう。

いかがでしょう。上記の3原則は良識ある社会人として当たり前のこと。まれに美人のキャディーさんがついて、パートナーそっちのけで会話を楽しんで夫婦関係がおかしくなったなんてケースもあります。普段の人となりがそのまま出るのがゴルフ。エンジョイゴルフを極めるには、たまにはカップル(夫婦、恋人)でゴルフもいいかもしれません。

(時田 弘光)