ゴルフをこよなく愛した安倍元首相 – 雑草リモートゴルファーの徒然日記vol.65

趣味として、またコミュニケーションツールとしてクラブを握った安倍晋三元首相が凶弾に倒れました。無念だったと思います。同じくゴルフを愛する者として、安倍元首相のご冥福をお祈ります。

安倍元首相は、趣味のゴルフを通じて類いまれな外交手腕を発揮しました。2016年11月、大統領選に勝利し時期大統領に決まったばかりのドナルド・トランプ氏と、ニューヨークのトランプタワーで会談。この時にホンマの高級ドライバーをプレゼントし、トランプ氏からはウエアを贈られました。

翌年2月には、最初の日米首脳会談が行われ、その前日にトランプナショナル・ゴルフクラブ・ジュピターで18ホールをラウンド。よほどトランプ氏に気に入られたのか、車で移動して同CCウエストパームビーチ9ホールをおかわりプレーしています。

その後、トランプ大統領とのゴルフは計5回にも及びました。2017年11月にトランプ大統領が初来日した際、東京五輪ゴルフ競技の会場となった霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)で、トランプ大統領の希望で松山英樹プロも加わってプレー。3回目の2018年4月の日米首脳会談では、トランプ大統領の強い要望で行われ、トランプ大統領は「安倍首相とプレーし、より良い関係を築いた」とツイートしました。

2019年には4月にワシントン郊外でプレーし、翌月には千葉県茂原市の茂原カントリー倶楽部で青木功プロもまじえてのゴルフ。安倍元首相のツイッターに投稿されたトランプ元大統領のはじけるような笑顔は、印象深いものがあります。過去に日米首脳同士がこれだけ頻繁にゴルフをした例があったでしょうか。

ボルトン元米大統領補佐官は回顧録の中で「世界のリーダーでトランプ大統領と最も個人的な関係を築いたのは安倍晋三だ」と記しています。 安倍元首相とトランプ大統領との関係を「友人であると同時にゴルフ仲間」と表現しました。トランプ元大統領に批判的だったワシントン・ポストも安倍元首相が「世界各国の指導者でトランプ大統領と最も緊密な関係を構築した極めて希有な人物」と評しています。

安倍元首相の祖父・岸信介元首相は、1957年に第34代米大統領のアイゼンハワーとゴルフをして日米同盟の道筋をつけたとされています。この時、アイゼンハワーは「ゴルフは好きな相手としかできないもの」と述べたという。まさにトランプ氏は、安倍元首相を真の友人と心から思っていたのでしょう。

さて、安倍元首相が国内で足繁く通ったのが神奈川県茅ヶ崎市のスリーハンドレッドクラブ。1962年に東急電鉄が造成した18ホールのプライベートコースで、入会基準は政治家の場合、首相か外相経験者という敷居の高さ。財界人は一部上場企業の社長か会長とされ、その基準は、まさに岸元首相とアイゼンハワーがゴルフ外交を行った米ワシントン郊外にある名門バーニングツリーGCにならったとされています。

筆者もスリーハンドレッドに縁があり、知り合いの一部上場企業の会長と訪問した際、300人もいないメンバーボードに安倍元首相の名前を発見しました。いわゆる5下のローハンデにはソフトバンクのあの方の名前があり、安倍元首相のハンデはゴルフが一番楽しいとされるボリュームゾーンにありました。スリーハンドレッドは昔ながらの打ち上げ、打ち下ろしの林間コースで、飛距離よりも正確性が求められるテクニカルなコースです。

安倍昭恵さんは、女性週刊誌のインタビューで夫のゴルフについて「ゴルフに行くと、1ホール1ダジャレといって、みんなにダジャレを言わせて…自分はいつも考えているから、同じようなつまらないダジャレがいっぱい」と話しています。同伴者を楽しませようとする安倍元首相の人柄が偲ばれます。

国の将来を考えながら、休日には気の置けない仲間たちとゴルフを楽しんでいた安倍元首相。ご存命なら、奥様とのラウンドも含め楽しいゴルフライフを過ごせたと思うと、気の毒でなりません。あらためてご冥福をお祈りします。

時田 弘光

~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。飛距離に難のある57歳。

関連キーワード


※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。

あわせて読みたい