アマ中島Vで見えた男子ツアーの苦境 – 雑草リモートゴルファーの徒然日記㉜

日体大3年の中島啓太が永野竜太郎とのプレーオフを制してパナソニックオープン(京都・城陽CC)に勝ち、史上5人目のアマチュア優勝者となりました。

2019年11月に三井住友VISA太平洋マスターズに勝った金谷拓実以来で、21歳93日での優勝は松山英樹(19歳251日)に次ぐ歴代3番目の若さ。永野選手とのプレーオフは、どちらがプロか分からないほど、中島の堂々たるプレーが印象的でした。

中島は7月の日本アマで優勝し、8月には世界アマチュアランク1位となっています。世界最強アマである中島の当面の目標は、11月3日開幕のアジアパシフィックアマチュア選手権(UAE)で優勝し、来年のマスターズに出場すること。パナソニックでの優勝会見で、中島はプロ転向の選択肢を否定しました。まずはアマ世界1位の資格で出場できる全米オープンと全英オープンに出場し、じっくりと経験値を上げてからプロとして世界を目指すプランなのでしょう。

アマチュア世界1位の中島啓太はプロ宣言せず、アマチュアとして来年のマスターズ出場を狙う

プロ14年目で未勝利の永野にとって、プレーオフの結果が見えるような最終18番パー3でした。ティーショットを大きく右に曲げてガードバンカーに。難しいライから脱出できず、2㍍を沈めてなんとかボギー。土俵際で残ったプレーオフは同じ18番。永野はティーショットでパーオンできず、1ホール目をボギーにしてしまい勝負あった。失うものがない中島と、どうしても欲しい勝ち星を意識しての永野では重圧の度合いも違ったと思います。

男子ツアーの低迷が指摘されて20年になります。2000年までは、いまやレジェンドの尾崎将司選手を中心に人気のあった男子ツアー。テレビ視聴率も10㌫を超えていたが、片山晋呉や谷口徹らが賞金王タイトルを争った2000年代前半から、ゴルフ人気は次第に女子にシフトしていきました。

女王・不動裕理を軸に、宮里藍や横峰さくらなど若手が競う女子ツアー。スポンサーとしても1試合3億円前後で開催できる女子トーナメントと、7億前後の男子の試合では、コスパを考えればどちらに投資しようか考えるまでもありません。米国のように入場料と放映権料で試合を開催できない日本のトーナメントはスポンサー頼り。この構図は変わることなく、2001年までは年間30試合以上あった男子ツアーは、過去20年間、25試合前後で推移してきました。
※コロナ禍で2020-2021ツアーは31試合(20年6試合、21年25試合)

日本ツアーにもライダーカップの盛り上がりが欲しい

2007年に15歳でツアー優勝を果たした石川遼の登場で、一時的に人気を回復したものの、スター頼りのツアー運営では男子ツアーは衰退をたどるばかり。先週はライダーカップでのエキサイティングな中継を楽しんだ後に、世界1位とはいえアマチュアにプロがプレーオフで見せ場もなく負けてしまう日本の現状を見ると、男子ツアーの将来が不安になります。

今やネット中継で手軽に本場米国や欧州のツアーが観戦できる時代。男子ツアーを管轄する日本ゴルフツアー機構は、真剣に今後のツアー運営のあり方やファンサービスを考えないと、生き延びることは難しい。じわじわと人気が出てきた日本プロゴルフ協会主催のシニアツアーや各地区オープン競技との共催も視野に、ツアーの枠組みを変えていく必要があると思います。

時田 弘光

〜No Golf No Life〜
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。

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