PGAツアーとLIV、事業統合の交渉継続を確認 – 雑草リモートゴルファーの徒然日記Round126

世界のゴルフ界を騒がせているPGAツアーとLIVゴルフとの統合を巡る交渉が年を越しました。PGAツアーの2024年シーズンは4日にハワイで開幕。LIVは2月2日、メキシコでリーグ戦が始まる予定ですが、事業統合の詳細はいまだ、明らかになっていません。

昨年6月6日、PGAツアーがサウジアラビア政府の投資ファンドから支援を受けるLIVゴルフとの和解と将来の統合への枠組みが発表されました。その交渉期限である12月31日が過ぎ、両ツアーは交渉を継続することを確認しました。

via Sports Illustrated(si.com)

「新たな枠組み」とは、非営利団体のPGAツアー、DPワールドツアー、そしてサウジ系政府ファンドのPIFが設立し、営利組織となる「PGAツアーエンタープライズ」。PIFのアル・ルマイヤン氏が会長に就任し、PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏がCEOを務めることで合意しています。

~ラーム移籍の衝撃~

年末の統合交渉の期限を前に、12月7日、世界ランク第3位のジョン・ラーム(スペイン)がLIVへの移籍を発表。その一方でPGAツアーは、米大リーグのボストンレッドソックスや、英プレミアリーグのリバプールFCを保有するフェンウエー・スポーツ・グループ(SSG)との資本提携に向けての交渉を明らかにしました。両者は新たな枠組みを構築しようとする一方、互いが相反するような動きを見せています。

via LIV Golf

しかしPGAのモナハン氏は、統合期限直前の数時間前に、PGAツアーの各選手にメモを送付。その内容は、
①SSGとの交渉は最終段階で、必要となる文書作成を行っている
②PIFとDPワールドツアーとの交渉は活発に行われている
③SSGを、PIFとDPワールドツアーとともに投資団体として迎え入れる
――とし、このパートナーシップにより「ゴルフ界を統一し、さらなる発展を目指す」としています。

モナハン氏はSSGとの交渉はLIVとの決裂を意味せず、ともに統合を目指すパートナーとの位置づけであると説明しました。しかしPGAツアーは、PIFがいくら投資するか不透明な状態で、SSG以外の複数の投資会社とも交渉を行っており、事業統合交渉は一層、複雑になっています。

昨年のマスターズや2011年の全米オープンを制し、PGAツアー11勝を誇るラームの移籍金は、700億円超と見られています。22年6月のリーグ開始以来、多くのPGAツアーのトップ選手の移籍が噂されてきました。ラームは、ショットガン方式の3日制や48人の選手によるチーム戦というLIVのフォーマットに批判的。「PGAの歴史と伝統に魅力を感じる」などと移籍を否定してきただけに、まさかの移籍に衝撃が走りました。

PGAのモナハン会長が6月にLIVとの統合合意を発表した際、多くのPGAツアーの選手たちは水面下の交渉について「何も知らされていない」と執行部を批判しました。これをきっかけに、ツアー理事会にタイガー・ウッズも加わり、選手会と一体になって、LIVとの事業統合について議論を重ねてきたようです。

~新たなフォーマットは出資者に魅力的なのか~

LIVでは、48人が54ホールを予選落ちなしでプレーする。ラームの加入により、12チームを新たに13チームにするのか、あるいは12チームそのままで、選手の入れ替えをするのか。LIVは2024年に14試合を行う日程を発表していますが、具体的なチーム変更など、1月4日現在、発表されていません。

一方、PGAツアーでは昨年秋、タイガーとマキロイがLIVに対抗する新ゴルフリーグ「TGL」の設立を発表しました。4人1組の6チームが、パームビーチ州立大学のキャンパス内に建設される巨大なインドアゴルフ施設(SoFiセンター、約250,000平方フィート)で、約2時間の競技を行う。

via TGLGOLF.COM

試合は毎週、ゴールデンタイムにESPNなどで放送されます。試合は1チーム3人によるオルタネート方式によるプレーを9ホール、シングルスは6ホール行われる。残念ながら、この施設の建設中に、空気圧ドームに損傷があり、開幕は今年から2025年に延期となりました。LIVへの移籍を決めたラームは、当初、TGLへの参加を表明していましたが、表明を撤回したことで、LIV移籍が噂されていました。

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックをきっかけに、ゴルフ参入者は世界で増えています。特にゴルフ場でのプレー以外に、シミュレーターを使用したインドアゴルフが人気を博しており、時間をかけずに手軽にゴルフを楽しむ若者が増えているそうです。スタジアムでプロのスーパープレーを楽しめるTGLはこうした傾向をとらえたもの。PGAツアーとLIVとの事業統合が、プロトーナメントの価値を高め、より魅力的なフォーマットを提供できるのか。推移を見守りたいと思います。

時田 弘光

~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。
現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。

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