最近、ネット記事でゴルフのレジャー化が叫ばれています。「厳密なルールの押しつけはダメ」、「ボールは動かし放題」、「楽しければいい」、「スコアにこだわるのはハラスメント」、「マナー警察はけしからん」…等々。確かにプロや一部のトップアマ以外は、ゴルフはレジャーです。しかし、「自分は楽しみたいから」と悪いライのボールを動かし、基本的なルールを理解せず、スコアもいい加減では、ゴルファーとは言えません。そんなゴルフ、本当に楽しいですか?
筆者は接待ゴルフ、競技ゴルフ、仲間内のエンジョイゴルフと、様々なスタイルでゴルフを楽しんできました。エンジョイゴルファーを自認していますが、ゴルフを楽しむには、最低限のルールとマナーが必要です。これからゴルフを始める若い人たちに伝えたいのは、ある程度、練習場でボールを打てるようになって、最低限のルールとマナーを勉強してからコースデビューしてほしいのです。
ネット記事にあるような、ルールに甘く、スコアにこだわらないゴルフをしていたら、ゴルフの本当の楽しさを知らないまま、人生を終えることになります。スコアにこだわれば、何がスコアを悪くしたのか、自分の弱点を克服するための宿題を持ち帰ることができます。それが練習のモチベーションとなり、上達につながるのです。
今年、還暦を迎える筆者がゴルフを始めたのは30歳の時。仕事の関係で始めたこともあり、最初の半年間はレッスンに通い、ドライバー、7番アイアン、サンドウエッジを自分なりの距離で打てるようになってから河川敷コースでデビューしました。仕事関係の年配の方々とラウンドするには、自分が打ったボールの方向を把握するだけでなく、同伴者のボールの行方も確認する必要があります。自分のゴルフに精一杯では、同伴者への気遣いができません。いわゆる接待ゴルフですが、ルール、マナー、そして当日までの体調管理を徹底したおかげで、レギュラーティーがほとんどの接待ラウンドでは、ほぼ70台で回ることができました。
ちなみに基本的なルールでは、カート道など動かせない障害物からの救済、赤杭に入ったボールの処置、OB杭とOB杭の間にあるボールがOBかどうかの判断―くらいを知っておけば十分。マナーでは、同伴者がアドレスに入ったらしゃべらない、グリーン上で同伴者のパッティングラインを踏まない(昔は厳密でしたが、今は気にしない傾向にあります)くらいでしょうか。
競技ゴルフでは、ティーショット以降、天候不良でライが悪いなどの状況以外は、「ノータッチ(ボールに触らない)」です。例えば、ナイスショットしたボールがディボット跡に入ってしまった。それを良いライに動かしてバーディーチャンスにつけたとして、本当にうれしいですか? むしろ大きめの番手でパンチショットしてグリーン手前のまずまずの場所につけて、寄せワンパーのほうが充実感もあるし、経験値が上がるはずです。
Play the ball as it lies―「あるがままに打て」。これがゴルフの精神です。筆者も競技中にボールを動かす同伴者を目撃し、悲しい思いをしたことが何度もあります。ゴルフは審判のいないスポーツです。最初からボールを動かしてプレーしていると、「もっと良いライがあるはず」と疑心暗鬼になり、ショットに集中できなくなります。ゴルフは人生と同じ。たまたま悪いライにボールがあっても「試練を楽しむ」気持ちで、打つほうが良い結果につながります。「自分はエンジョイだから、ボールを動かします」では、その方に技術の向上はありません。
「ゴルフはレジャーだから難しいルールはやめて、スコアにこだわらず楽しくプレーしよう」という視点の記事をよく見ます。どうでしょうかね。温泉卓球じゃないんですよ、ゴルフは。これからゴルフを始める若い方々には、「始めが肝心」と言いたい。ゴルフデビューをする機会に恵まれたら、ネットにあふれているスイング動画を見て学習し、練習場に行ってボールを打ってください。素晴らしいボールが打てるようになって、スコアもまとまってくれば、ゴルフというゲームを楽しめる。それこそがエンジョイだと思います。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。










