距離感が微妙なセルフのマッチプレー – 雑草リモートゴルファーの徒然日記Round 74

多くの会員制コースで、クラブ競技の最高峰・クラブ選手権が行われています。参加人数によりますが、予選で上位16人(少ない場合は8人)を選出し、決勝ラウンドからマッチプレーを行うのが通例。だれもが憧れる“クラチャン”を目指しての熱き戦いですが、最近はキャディー不足からマッチプレーをセルフで行うコースもあります。

ルールが複雑になるストロークプレーと違い、プレーする両者の合意に基づいてプレーが進行するマッチプレーは、遠球先打(ピンから遠い位置の選手からプレーする)や相手のパットにOKを出すコンシードなど、最低限のルールさえ覚えていれば、問題はありません。とはいうものの、いまは乗用カートが主流で、さすがに真剣勝負のマッチでキャディーのいないセルフでは、カートのリモコンをどちらが持つのかなど、プレー以外で気を使う状況が生まれます。

現在、ゴルフはプロのトーナメントも含めてストロークプレーがほとんどで、多くのアマチュアは1打でも良いスコアを目指して日々、精進していることと思います。ところがゴルフは古来、マッチプレーが主流で、コースの規定打数と戦うストロークプレーとは違い、常に相手を意識する“駆け引き”が必要になります。

筆者が最初にクラブ選手権の決勝に進んだいわゆる大衆メンバーコースでは、2人のマッチにキャディーは1人。キャディーさんは両者に公平で気が利く方だったので、スムーズにプレーできました。数年後にクラチャンになった中堅メンバーコースでは、マッチプレーの1回戦から、それぞれの選手にキャディーさんがつきました。1回戦についたキャディーさんが決勝まで面倒をみてくれる。

勝ち進むごとにあうんの呼吸でグリーンの読みやら、攻め方までアドバイスをもらいました。勝負がかかった終盤、2㍍前後のパットをショートすると、次のホールに向かう途中に「ラインなんか気にしないでカップに集中。強気でいきなさい」と尻を叩かれました。優勝できたのは優秀なキャディーさんの力量だったと感謝しています。

さて筆者の友人が、先週、初めてセルフプレーでのマッチプレーを経験しました。クラブ選手権の準決勝だったそうですが、クラブの競技委員がそれぞれの組についたため、特に問題はなし。乗用カートのリモコンもハーフごとに公平に担当する形で、気遣いの必要はなかったそうです。もっともリモコンを持つことでカートを自分のプレーのタイミングで動かせるので、精神的にラクという意見もあります。これは余談ですが、リモコンを持つ選手が、意図的に相手のショットのタイミングでリモコンを押して「ピピッ」という音を出して、リズムを狂わせるという姑息な手段を使う場合もあるそうです。こんな手段でマッチを勝っても、その後のクラブライフを考えてみてください。「あの人は汚い」などとレッテルを貼られるだけです。正々堂々とプレーしましょう。

友人の相手は、マッチプレー自体が初めてで、ルールもよく分からなかったそうです。そこで友人は、「遠球先打と、コンシードする場合は明確に『OK』と言ってください。それと救済を受ける場合、必ず、声をかけてください。あとは楽しみましょう」とアドバイス。お互いグッドプレーヤーで、緊張感のあるいい試合ができたそうです。

筆者は約30年のクラブライフでマッチプレーを40回ほど経験しました。ほとんどの方がグッドプレーヤーでその後、かけがえのないゴルフ仲間となりましたが、そうでない方もいらっしゃいました。ショートパットの歳に、視界に入る場所にわざわざ立ってプレッシャーを与える人、ショットに入る前に「右からの風が強いな、左が怖いよ」などと聞こえるようにつぶやく人…これはメンタルとの戦いです。あくまでも相手はコース。こういう駆け引きには過剰に反応せず、無視できるハートの強さを持ちたいものです。

時田 弘光

~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。そろそろドライバーで200㍎の壁が見えてきた57歳。

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