ラウンド中にミスショットすると、同伴者から「ヘッドアップだよ」と指摘されたことはありませんか。「そうなのかなぁ」と半信半疑ながらも、ヘッドアップと言われるとなんとなく納得してしまう。アマチュアのミスでも最もポピュラーなのがヘッドアップではないでしょうか。
スイング中(インパクトを迎える前)に上体(頭)が起き上がることの総称ですが、初心者に多い現象でもあります。
会社の上司や接待からゴルフを始めた方は、「他人の迷惑にならないように自分のボールの行方をちゃんと見ろ」などとうるさく言われるので、どうしてもボールの飛び出し方向が気になります。そうなると「インパクトまで頭を残す」ことよりも、早く目標方向に目が向いてしまうので、体が開いてスライスやトップなどという症状に悩まされます。
PGAティーチングプロの横田弘樹さんに、ヘッドアップについて聞いてみました。これまでに1000人以上のアマチュアをレッスンした経験から、アマチュアのミスの多くが「ヘッドアップが原因で起きている」と分析しています。

ドライバーでスライス、アイアンでシャンク、アプローチのチャックリやトップ、ショートパットで引っかけや押し出し…
特にグリーン周りでのショットはカップが近いこともあり、「結果を早く見たいという心理からヘッドアップしやすい」そうです。体が開いて右肩が前に出るので、ひっかけやシャンクが出るといいます。
それではヘッドアップを治す方法はないのでしょうか?筆者が初心者の頃、練習場のレッスンプロから頭を抑えつけられて素振りさせられた経験があります。「インパクトするまでボールをちゃんと見ろ!」でした。しかし、横田プロは、ボールをしっかり見ることでヘッドアップは治らないと言います。「人は左右の目でボールを見ているので、多少、ヘッドアップしてもスイング中にボールを視界に捕らえることができます。だから実際はヘッドアップしていてもそうなっていると認識しにくいのです」。

そこで横田プロが開発したのが、スクエアビジョンサングラス!サングラスの鏡面を横切るように可視ガイドラインがあり、頭が動くと、ボールが視界から外れる仕組み。横田プロによると、プロの多くも、このサングラスを試してヘッドアップが分かったといいます。
このサングラスについては、クラウドファンディングのサイト「Makuake」で支援を募っています。横田プロは、アマチュアとして全日本パブリックミッド選手権などに出場した経験を持ち、競技アマの悩みをよく知るプロの1人です。興味のある方はぜひ、サイトを訪れてみてください。
ヘッドアップについては、昔からスイング時の目線が大切と言われています。女子レジェンドのアニカ・ソレンスタム(スウエーデン)のようにルックアップ打法でボールを見ない、あるいは「凝視せずにぼやっと」というプロもいますが、アイアンの名手・松山英樹プロのスイングを見ると、これでもかっ!というくらい、インパクト時に頭を右サイドに残しています。ラウンド中にスライスやシャンクなどのミスが頻繁に出る方は、ヘッドアップの状況を調べてみるのもスイング矯正の近道と思います。
時田 弘光
~No Golf No Life~
数年前まで真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。飛距離に難のある57歳。