トピックス
気温、気圧、湿度とボールの飛距離


『冬場は(球が)飛ばないな』とか、『標高が高いので飛ぶよ』とか、『湿度が高い、空気が重いから…』などの話は、ゴルファーなら聞いた事があると思いますし、実際にそう言っていたという方も少なくないと思います。

これらは、主に空気抵抗(=空気の密度)の変化が飛距離に影響を及ぼしているケースで、空気密度が高くなると空気抵抗が増え飛距離は落ち、逆に密度が低くなると飛距離は伸びる事になりますが、その『空気密度』は"温度"、"湿度"、"気圧"などの要素により変化するため、標高、天気、季節などの影響を受ける事になる訳です。

それでは、温度、湿度、高度、気圧などの諸条件は、飛距離にどの程度の影響を与えるのでしょうか。


◆温度…影響あり。[18度の差で5y。36度の差で10y]

寒さや厚着による影響やボールの反発力変化などを除く、空気抵抗的な意味合いでは、気温が高くなると空気は膨張し空気密度が小さくなるため、空気抵抗が減り飛距離が伸びます。

気圧を同条件の1.010hpaとした空気密度の変化が以下の通りです。

30℃ 空気密度 1.1609 kg/m^3
20℃ 空気密度 1.2005 kg/m^3
10℃ 空気密度 1.2429 kg/m^3

気温が10℃の時より、30℃の時の方が7%程、空気密度が減少しています。気温1度に対し空気密度が1/273減少するため、空気抵抗は27度程異なると1割の差が出ると言われますが、飛距離がそれにより1割増す訳ではなく(揚力などの条件も変化するため)、気温3.6度差で1y伸びる換算として算出しています。


◆湿度…ほとんど影響なし。[最大でも1y以下]

意外なばかりか、実は湿度が高い方が空気抵抗は減るのです。
イメージと異なると言う方が多いでしょうが、湿度が高いと空気密度は小さくなります。
これは、気圧、温度が一定の場合、同一体積の気体内の分子の数が一定なため、湿度が高いという事は、比重の小さい(質量の低い)水蒸気が増え、他の分子が減少しているためです。

しかし、その影響度は低く、具体的には、気温30度の場合で、湿度50%⇒湿度100%に変わったとしても下がる密度は約0.8%程度との事で、実感出来る程の飛距離変化は無いのだそうです。

つまり、湿度が高い日、「今日は空気が重くて飛ばないな」と表現するのは間違いという事になり、むしろ空気は軽くなっているという事になりますが、ランが出ない、湿気のある芝がダフると影響力を増すなどにより、飛ばないと感じる事が多いのかも知れません。


◆気圧…影響あり。[気圧差100hpaあれば5y]

気圧が高いと空気は圧縮され密度が高くなり空気抵抗が増し飛距離が落ちる事になります。
しかし、800hpa(ヘクトパスカル)台や900hpa台などになる強い台風などの場合を除くと、低気圧と高気圧の気圧差は通常20hpa程度のため、さほどの影響ではありません。

仮にこの20hpaの差とは、標高0m地点と標高200m程度の地点での差となり、1yの飛距離差が出るか、出ないかといったところのようです。

ちなみに、気圧が下がり空気抵抗が減ると、飛距離の重要な要素でもある揚力も減る事になります。


◆高度…影響あり。[1,000mの差で5y]

気圧が下がると空気は膨張して密度が低くなる事を前項でも触れましたが、標高1000mでは平地に比べ約9割の気圧になります。

高原でのラウンドなどでは1,000mの標高で1割増の飛距離と個人的にも聞いていましたが、実際には1000mの差は気圧差100hpa程度という事で5y程度飛距離が伸びるのみという事になります。

富士山山頂の気象観測所(3,775m地点)の平均的な気圧は630hpa台という感じなので、富士山山頂で酸素の問題もなく、気持ち良くスイング出来たのなら20y近く伸びる事になるのでしょうか!?
(気温が下がる分の減算要素もあるため、そうもいかない様です)


◆まとめ

標高1,000m程度で避暑地としても知られる軽井沢や日光、箱根や富士山周辺の高原ゴルフでは、常に飛距離1割アップくらいのつもりでいましたが、以下の通りの様です。

【例:標高1,000mでの飛距離】

標高分の気圧差で5y、気温は1,000mで6〜7℃下がる事になり2y減。つまり3y程度の飛距離アップという事になります。

(気圧差+5y) +(気温−2y) = 《伸びる飛距離 3y》

実際に空気抵抗が下がると、飛びの重要要素でもある揚力が減少するため、ボールの勢いは増すも、揚力減少により、期待している程は飛距離に影響が無いというのが現実のようなのです。

個人的にもショックなのですが、飛んでいると感じたアレは、高原リゾートの気持ち良さゆえの飛距離だったのかな!?
気持ち良いがゆえのミート率アップや空気が乾いているためのラン増加など!?だったのかも知れません。


[余談]
ところで、温度変化により、ボール自体の反発係数の変化の影響も少しはある様です。
ブリヂストンスポーツのHPでは、糸巻きボール時代ほどではないが、ボール材料に変化が起こり、5℃くらいの寒さになると5ヤード程度飛ばなくなるとの記述がありましたが、その一方で、以前TBSのTV番組「ゴルフ総研」の中で、冷やした方が飛んだ!という実験結果を見た記憶もあります。

また、厚着や寒さにより筋肉の柔軟性低下により、飛距離が落ちるのは納得感がありますが、これもTVでの実験により、同一プレーヤーが、夏服、冬服で調査した結果、ヘッドスピードが1m/秒、飛距離で約10ヤード程度変化したとの結果が出たそうです。

風向きはもちろんの事、この様にウエアや身体の柔軟性、更に道具類やボール、当たり自体や打ち出し角、スピン量などの要因の方が、気温、気圧、湿度よりも影響が大きい様ですね(^^;)


次は、飛びの重要な要素として触れた"揚力"を生むためのボールのディンプルについて触れてみようかと考えています。

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